最近、何度もブログに書いていますが、インテリア業界では急にブラインド等の
操作の安全問題というのが取り上げられて、小さいお子さんに配慮した商品で
「セーフティ○○○」「セーフティジョイント」「チャイルドセーフティ」という言葉が
使われるようになりました。
それは、昨年の7月に東京都生活文化局が、ブラインドやカーテンのひもの安全対策に
着手すると発表し、今年の2月に報告書をだしたためです。
以前、ブログにも書いています。
2014.5.31「ブランド等の操作コードの安全対策
2014.2.19「東京都がブラインド等のひもの安全対策を提言
東京都の報告書を読むと、ブラインド等の操作コードとカーテンの留めひもに
関する事故が2007年から7件起こっており、そのうち1件が死亡事故と
なっています。
米 カーテンの留めひもとは、インテリアの業界ではタッセルもしくはタイバックと
言っている商品ですが、報告書にはそのように書いてあるため「カーテンの留めひも」
という表現を使います。
この報告書を読むにつれ、我々インテリア商品の販売店もエンドユーザーに対して、
これらの商品に対する安全な使用についての情報発信をしていかなければ
ならないことを痛切に感じました。
これからは、このブログで「チャイルドセーフティー」の問題に関して、
メーカーの新商品や問題点などの情報を度々発信していきます。
東京都の報告書を読んでいると、カーテンの留めひも(タッセル)で事故が
1件起こっています。
その対応策として、インテリアのメーカーは「チャイルドセーフティ」用の
房掛けや留めひも(タッセル)やマグネットタイプのものやセーフティリングを
発売しました。
セーフティ房掛けというのは、ある程度の荷重があると房掛けの部分で
はずれ、留めひもが小さいお子さんの首にひっかからないようにする
事前防止の商品です。
トーソーのセーフティ-房掛けA
当店の展示スペースで写真を撮っていますので、余分な商品もいっぱい写って
いて見苦しいのですがご容赦願いたい。
プラスティックの台座を取り付けて引っ掛ける部分を下からはめ込むように
なっていまして強く引っ張ると外れます。
前方向ならば、ヨコ90°の位置から引っ張っても外れます。
しかし、外れる荷重が違いまして、真下ならば3.5キロの力で外れますが、
斜め45度からならば4.5キロ、ヨコからならば4キロの力が必要です。
真正面からならば7キロの力が入ります。
小さいお子さんが高さ90㎝ぐらいの位置につけてある房掛けを真正面から引っ張ることは
ないし、1歳児の体重が9キロとして、両足をついていても半分ぐらいの重さである
4.5キロぐらいの荷重なので問題はないと思います。
タチカワのチャイルドセーフティー房掛け モデラ
正面真下から引っ張ると軽く外れて、また簡単に戻すことができます。
しかし、真横からひっぱるとはずれないのです。
傾斜する部分が軸になっていて、前後は軽いですが左右は無理があります。
私が調べたところでは、正面から60°ぐらいの角度ならば問題なくはずれました。
前方向から外れると問題はないのかもしれませんが、窓の横に壁があって、
その前にソファーやローボードがあり、そこに上って引っ張るケースもあると思います。
タチカワのチャイルドセーフティ房掛け タクト
このインテリア商品の安全に関する基準に関しては、急に動き出したことなので、
法律的にも、業界の統一基準もありません。
東京都の報告書では、韓国やオーストラリア、アメリカでは法による規制があると
書かれています。
日本は遅れています。
現状は、各社が社内基準をつくって、各社で安全だと言っていますが、その数字も
公表されていません。
この問題に関しては、業界の窓口は日本ブラインド工業会(4社加盟:タチカワ
ニチベイ、トーソー、東京ブラインド)となっていますが、
留めひも(タッセル)等はファブリックとの関連もあります。
ファブリックメーカーも独自の商品を扱ったりしていますし、輸入商品もあります。
サンゲツはシェードのメカでドラム式のシングルタイプのものは、
トーソーのメカを使っていますが、操作チェーンはタチカワのものを使って、
セーフティージョイントをつけています。
そのため、サンゲツオリジナルとなっています。
そのセーフティジョイントは8キロの荷重で外れるようになっています。
8キロの荷重が幼児にとって安全なのかという問題もあります。
この話は後日書きますが、メーカーがセーフティジョイントといえば、
安全だと思ってしまうのです。
これはインテリアの業界に関わる大きな問題なのです。
インテリア業界の大きな団体である日本インテリアファブリックス協会が窓口となり、
統一基準つくりを早急にやっていただきたものです。
早くしないと、今後、いろんな会社が独自基準で「チャイルドセーフティ」を
うたってくると思います。
そうなると私たちは何を信じていいのかわからなくなってくるのです。
前回の遮熱に関する基準の時と同じです。
遮熱の時は基準つくりに1年半かかりましたが、この問題は命にかかわる問題なので、
スピードをもってやってもらいたのです。
遮熱の時は、基準がひじょうに甘くて、基準つくりに参画しているメーカーが、
この基準はゆるいので当社独自の基準もきめて厳格に対応していますというようなことを
やっていましたが、安全問題に関しては厳しい基準を作っていただきたいものです。
荷重いくらをもって、「セーフティ」とするのか
各商品の荷重の数字を表示して、購入者側にも判断できるようにしてもらいたい。
続く
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