縫製

クレーム事例① 巾継ぎの問題

カーテン業界の人が書かれているブログを読んでいると、皆さんいい仕事ばかりしておられ、クレームなんか一つもないような感じですね。


私共のように数多く仕事をしていますと、お客様から指摘いただくクレームもあります。今まであまり書いていませんが、恥をしのんで公表して今後の糧にしていきたいと思っています。


今日納品したお客様より、巾継ぎが正面にきているという指摘がありました。オーダーカーテンの場合、大概は巾をつぎます。それは生地巾が150cmとか100cmで生地をたっぷり2倍つかいますのでどうしても巾を継がなければつくれません。


年に1回くらい、せっかくオーダーしたのに巾を継いでいるのはおかしいという人がおられます。これは1.5倍使いで片方の巾が100cmのものを2枚使うような既製カーテンをほんとうのカーテンだと思っておられる方なんです。既製カーテンの場合は150cm巾の生地で100cm巾にしているだけなので巾継ぎが入りません。


巾継ぎが入るのは仕方がないのですが、その位置が問題なのです。やはり、ヒダの真ん中にきていて目立つようではきれいではありません。


今日納品の現場は巾500cmの両開きで、片方に2ヶ所巾継ぎの入る1.5倍使いの1つ山の形状記憶付きカーテンです。


下の写真のように上部の巾継ぎは目立たないようにヒダのふもとにもってきていました。


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しかし、下部ではヒダ山のふくらみの真ん中に巾継ぎがきてしまいました。(下の写真)


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やはり、ちょっとマズイかなと思ったのですが、当店の場合、1.5倍の形状記憶加工の場合1つ山で下図のように前にくる方と後にくる方のウエーブを変えているため裾がラッパのようになります。そのためにこのようなことになるのです。


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このようにしているのは1.5倍使いでもボリュームがあるようにみえてきれいになりますし、1つ山にしているのはヒダ間隔が2倍使いと同じ12~13センチにしていて、開けた時の納まりがきれいなんです。


また、今回は片開きで2ヶ所の巾継ぎのうち、ひとつの方はきれいになっていたため、よけいに目だってしまったわけです。


お客様にはよく説明をしてなんとか納得してもらいました。
また、ひとつ勉強になりました。


 


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連窓のシェードの横柄合わせ

大きな窓にシェードを取り付けることもよくあります。その場合は何分割かにして、必ずサッシの位置で分けます。下の施工写真はマンションの大きな窓で両端が出入り口になっていまして3分割しています。


リリカラの生地で大きな柄なので、タテのリピート(柄合わせ)は必ずしなければなりませんが、この場合はヨコの柄も合わさなければなりません。閉めた時に柄が流れるようにつながっていなければなりません。自社縫製している専門店ではこのようなことは当たり前のようにしていますが、メーカー縫製するとサイズの違うシェードでヨコの柄まで考えて縫製しているところはないかと思います。


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「よくメーカー縫製なので安心」を訴えている業者がいますが、ナニが安心なのかがよく分からない。それは業者にとって失敗したらメーカーの責任にできるから安心ということでしょう。
このようなケースで3台別サイズ(両端は同サイズ)になって、メーカー縫製に依頼すると3台ヨコ柄が合うようにはなってこないのです。きちっと指示をすればメーカーもやるでしょうが指示をするのは業者なんです。価格だけしかアピールするものがないレベルの低い業者に注文をするとこのような指示ができないのです。だから、カーテンはメーカー縫製ならばどこで買っても同じではありません。カーテンは知識の豊富な専門店で買いましょう。


 


この現場はカーテンレールを残して欲しいとの依頼でブラケットスペーサーを使って取り付けてます。


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川島織物セルコンのフィーロ縫製について④ ハギ合わせ(巾継ぎ)の美しさ

川島織物セルコンのフィーロ縫製は、国内では最高級の縫製をしておりそれについて消費者にわかるようにずっと説明をしてきています。


まずは過去のブログをお読みください。


川島織物セルコンのフィーロ縫製について①


川島織物セルコンのフィーロ縫製について② 形態安定加工「ファインウエーブ」について


川島織物セルコンのフィーロ縫製について③ 2.3倍使いについて


4回目としてハギ合わせ(巾継ぎ)について説明いたします。


このフィーロ縫製の大きな特長の1つとして「2.3倍使いで、巾継ぎ位置はジョイントを目立たせなくするため、ヒダ根元にしています」と見本帳に書いてあります。
この巾継ぎ位置を目立たせないようにヒダ根元にもってくるというのは簡単のようでなかなかできず、これをやっているのはフィスバ縫製だけです。


フィスバの縫製に関してはこちらをご覧ください。 →ここ


このフィスバのこだわりが今まで誰もが認める「フィスバの縫製はきれい」といわれる所以なのです。今回の川島織物セルコンのフィーロ縫製はこのレベルに追いついたことになります。



上の写真が川島織物セルコンのフィーロ縫製でぴったりヒダ根元に巾継ぎがきています。


 


当店巾継ぎこちらは当店の縫製です。残念ながら必ずしもヒダ根元に巾継ぎがきますということはアピールできません。どこにくるかはわかりません。


 


 


 


 


 


 


 


フィスバも川島織物セルコンも片開きの右の方は必ずヒダ山の右根元に、左の片開きの方はヒダ山の左根元に巾継ぎがくるようにしています。


2枚の生地を1ヶ所だけ巾継ぎをするのは簡単なんですが、3枚以上の生地を2ヶ所以上巾継ぎをして、必ずヒダ山の根元に持ってくるのが難しいのです。


無地の生地ならば巾落としをして巾継ぎをすればできます。しかし、ヨコのリピートのある生地は柄も合わさなければならないので簡単ではありません。


フィスバはどのようにしているのか。


下の絵のようにヒダの3つ山の真ん中の山の高さを変えることによって、無理やり巾継ぎを根元にもってきています。このやり方だと芯地の部分の見た目は変わらずきれいにみえます。しかし、ヒダとヒダとの間の生地の長さが違いますのでウエーブはいびつな形になります。



それに対して川島織物セルコンはどのようにしているのでしょうか。


続きは次回に      



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プレーンシェード自動線引き機

縫製加工所に行ってきました。行く度に新しい機械が入っていまして楽しみなんです。今回はプレーンシェードの自動線引き機とリングテープ縫い付け機の紹介です。


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プレーンシェードにリング付きテープを縫い付けるにおいて、蒸気で消えるチャコで線を引きます。生地を広げて十数本同時に平行にまっすぐに引くことができます。これによってスピードアップします。3m×3.8mの大きさの生地なら可能です。


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それを別の機械に移して線に従って自走ミシンでリングをかわしながらリング付きテープを縫い付けます。今は熟練の技術工がいなくてもいい機械があればきれいに縫えます。プレーンシェードはまっすぐきれいに縫わないとすごく目立ちます。


下は川島織物セルコンが住宅メーカー用に縫っているプレーンシェードドラム式の縫製です。


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    針1本がI()にみえますか?



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川島織物セルコンのフィーロ縫製について③ 2.3倍使いについて

昨年10月に川島織物セルコンがフィーロという見本帳を新しくしまして、縫製にもすごくこだわっています。今や国内最高峰の縫製だと思いますが、消費者の方に第三者の立場で説明しています。メーカーの説明だといいところばかりしかいわないし、他社との比較において十分な知識がないのです。


私は川島織物セルコンのフィーロ縫製は評価しています。他社や当社との違いは何なのかを説明して、理解した上でお客様の方で判断して頂きたいと思っています。


まずは今まで書いたものを先にお読みください。


川島織物セルコンのフィーロ縫製について①


川島織物セルコンのフィーロ縫製について② 形態安定加工「ファインウエーブ」について


2.3倍使いについて述べます。フィーロの標準仕様は2.3倍使いになっています。これは生地を巾に対して2.3倍の生地を使うということなんです。単純にいうと巾200cmのカーテンをつくるのに巾継ぎをして2.3倍の460㎝にして、これにヒダをとって巾200にします。一般的にはオーダーカーテンは2倍使いが多く、巾200cmに対して400㎝の生地を使います。


メーカー縫製においても、ハイグレードの縫製以外は2倍使いです。フィスバも2倍使いで、川島織物セルコンもフィーロ以外は2倍使いを標準としています。
竹取物語(家具屋悲鳴~)の業界で一人勝ちしている有明じゃなくて有名なところは2.3倍使いを標準仕様にしています。   
注)有明は本社のあるところ


なぜ、2.3倍使いなのか


それを川島織物セルコンに展示会の時に聞いてみました。答えはそれが一番美しいからとのことでした。今回のフィーロは一部は自社で織っており、おそらく川島織物セルコンのことだから2.3倍使いで縫製したらきれいに見えるように織っていることでしょう。メーカーからの提案としてはすばらしい発想で適切だと思います。


問題はそれによって価格も違ってくるということです。
下の写真は当店の縫製で2倍使いで巾200cmならば三つ山のヒダが片開き100センチで9個でヒダ間隔が12,5㎝になります。


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この下の写真は川島織物セルコンのフィーロ縫製で2.3倍使いで巾200cmならば三つ山のヒダが片開き100㎝で10個でヒダ間隔が11㎝になります。


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この美しさに違いはどのように感じるかはお客様の判断におまかせします。


金額的には巾200×200㎝のサイズで、川島織物セルコンの場合は展示サンプルの商品では4巾使いになり、121200円(税抜き)になります。


当店の場合は同サイズでは2倍使いを標準としていますので3巾使いになります。仕様は縫込みアジャスター、すくい縫い、形状記憶付きで、縫製代も川島織物セルコンが1900円/㎡に対して当店は700円/㎡のため、定価では78750円(税抜き)になります。その差はこのサイズでは、メーカー縫製で2.3倍使いするのと、当店で2倍使いするのとでは同じ生地を使っても42450円の違いがあります。1窓での違いです。これが1部屋に3窓あれば12~3万違ってきます。


確かに川島織物セルコンとしてメーカーとしての一番美しいと思われる商品を提案する姿勢はすばらしいと思います。しかし、これだけ価格に差があるということも事実で、その違いを理解した上でお客様が判断されるのがいいかと思います。


 



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川島織物セルコンのフィーロ縫製について①

10月に発売された川島織物セルコンのフィーロという見本帳は国産では最高級の商品で、縫製も特別フィーロ縫製というものを設けまして今までとは違う最高級の縫製をしています。


確かにすばらしい縫製ですごいこだわりが感じられます。しかし、それなりの金額もします。私共では、川島織物セルコンに展示サンプルをメーカー縫製で依頼し、また同じ生地で当店でも縫製してその違いを説明できるように展示しています。


カワシマ縫製3


 


左の写真の両開きで右片開き分がフィーロ縫製で、


左片開き分が当店の自社縫製です。


 


 


下の左の写真は川島織物セルコンのフィーロ縫製


下の右の写真は当店の自社縫製です。


 


カワシマ縫製1カワシマ縫製2


何がすごいのか。それをユーザーにわかっていただきたいのと、フィーロ縫製をメーカーに依頼することによって展示サンプルの商品で巾200×丈200cmのサイズで42450円高くなります。


私共はメーカー縫製も承っておりますし、専門店として自社縫製もしています。その違いを理解していただき、金額も含めて総合的に判断されるのはお客様で、その判断材料を提供していきたいと思っています。


これから6回に分けて、世界最高級と言われるフィスバ縫製の話も絡めながら、川島織物セルコンのフィーロ縫製について検証します。


②形状記憶(形態安定加工)標準仕様


③2.3倍使いとは


④ハギあわせ(巾継ぎの美しさ) フィスバ縫製とのこだわりの違い


共布タッセルのこだわり。


⑥細かいところで他社の縫製との違い


同業者もインテリアコーディネーターもメーカー営業員も必見です。ご期待を


 


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オーダーカーテンで消費者が疑問に思っていること(3)

12月2日のブログに書きました2chの掲示板『オーダーカーテンお薦めショップはどこ?』でけっこう話題になっていた縫製に関してです。


メーカー縫製がいいのか自社縫製がいいのか ということで、具体的にメーカー名もいっぱいでていましたし、知っている業者もたくさんありました。


当店はほとんが自社縫製です。といっても妻が事務所の裏でミシンを踏んでいるわけではありません。日本でトップクラスの縫製所と提携して仕事をお願いをしているのです。専門店としてのこだわりがありますので、各社バラバラの仕様になるメーカーに縫製をお願いすることはほとんどありません。シェードやスタイルものもメーカーに縫製を頼むことはほとんどありません。フィスバの生地もこちらで縫製することもよくあります。今日もパネルスクリーンの発注をメカだけタチカワにし、縫製は当店の方でする発注書を書いていました。


だから、『メーカー縫製はうめ~いか』と言われてもよくわからないのです。
ここ1年は下請けをしている住宅メーカーの仕事で、縫製はすべてカワシマがするようになり、カワシマの縫製だけはよく知っています。この住宅メーカーに関してはセルコン、フジエの生地もカワシマが縫製をしているのですが、驚いたことに織りキズとかに対してチェックが甘く、セルコンのキズあり商品を平気でカワシマが縫製して出荷してくるのです。


住宅メーカーも我々が縫製をしていた時は細部に渡り仕様が決められていたのですが、カワシマと提携するようになってからは価格優先でドレープの裾にウエイトを入れるのもなくなり、タッセルの引っかけるところも既製カーテンと同じ江戸組紐になりました。


そしたら自社縫製がいいのかというと、掲示板を読んでいると、自社縫製=安いみたいなところがあって評価が低いようですが、これも千差万別で確かにひどいところたくさん知っていますし、匠の技でこだわっているところもあります。当店の縫製所はこだわっています。


メーカー縫製もいろいろと掲示板に書かれているようにうまいところもあり、これがメーカー縫製なの?というようなところもあります。あまりメーカーに縫製を頼んでいないので詳しくは書けませんが、私の考えでは梱包の丁寧さと縫製の上手さは比例するのではないかと思っています。これは自社縫製のところにも当てはまります。


梱包縫製に自信があれば、配送のため梱包するにあたってもできるだけシワにならないように丁寧に扱うようになると思うのです。適当な縫製をしているところはただ箱に詰めて送ればいいみたいなところがあります。


フィスバの縫製はタイから送られてくるのですが、カーテンをヒダたたみして折り曲げたところに型がつかないように紙管がいれてあったりするので、カーテンを吊ると梱包していたゴミがいっぱいでます。それに対して、とりあえずプリーツたたみして箱に入れ、上にビニール1枚乗せてあるだけのメーカーもあります。写真はカワシマの縫製の梱包です。レースは台紙に巻いてシワにならないように丁寧に梱包されています。


 


針1本が I(ローマ字のアイ)に見えますか。針1本に愛を込めて縫製をお願いしたいものです。


ただよくわからないのは『メーカー縫製だから安心』と訴えているところです。何が安心なんでしょうか。何かクレームがついた時にメーカーに責任転嫁できるから安心なんでしょうか。そういう販売店の方が不安です。


当店ではお客様の要望に応じてメーカー縫製もいたします。他店でお求めになる場合は自社縫製とメーカー縫製の違いは何なんかをよくお聞きになってご購入されることをお薦めします。自社縫製が良いとか悪いとか、メーカー縫製が良いとか悪いとかの問題ではなく、販売店の姿勢の問題です。


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