形状記憶・形態安定

現場打ち合わせ(1)

やっと秋らしくなってきました。


当店では、1000点ぐらい店内に吊りサンプルを展示しており、基本的にはご来店いただいて、店内で実際縫製したサンプルをみていただき、そのあと、選んでいただいたサンプルを現場に実測に行くときに持って行き、現場で確認していただくシステムをとっています。
もちろん、実測に行かない場合は吊りサンプルの貸し出しもしています。


私もこの業界に20年以上いまして、カーテン一筋ですが、メーカーがだしている見本帳でカーテンを選ぶのは難しいものがあると感じており、カーテンは縫製して吊って初めて商品です。高い生地でも吊ると美しいウエーブがでなくてきれいでないということがよくあります。その点、昨日のブログにも書きましたが、カワシマが美しいウエーブがでる加工をして商品としてカーテンを納品する姿勢は高く評価できると思います。


私は、接客は苦手なんですが、現場に実測に行って能書きを言うのは好きでよく現場実測に行きます。


現場打ち合わせ1


現場打ち合わせ2


 


 


 


 


 


 


写真はご来店いただいたのですが、微妙な色違いにこだわりを持っておられるお客様で、新築現場に遮光のカーテンを8点持って行き選んでいただいている様子です。この場合、遮光のカーテンは窓に吊ってもそんなに変わりはないですが、普通のカーテンは窓のところに吊ると、光が入り、実際生活している中では、昼間にカーテンを閉めるケースは少なく、夜閉めてカーテンを見ますので壁のところにカーテンを持って行き、光を通さない状態でのカーテンも見ていただいています。



また、吊った感じで美しいプリーツがでるかということも重要です。上の写真はカワシマのウイリアムモリスの商品で、当店に展示している吊りサンプルです。
左は形態安定加工をしていない商品で、右は同じ商品で色違いのものを形態安定加工している商品です。カワシマで縫製するとこれは標準仕様でナチュラルウエービー(世間でいう形態安定加工)をしていますが、当店では独自で低価格で形態安定加工をしています。ご覧のように高い商品でも形態安定加工をしなければきれいでないという商品もあり、実際縫製して吊った商品をみて確かめていただきたいのです。


当店では、独自に1,5倍使いの1つ山のペンタックスタイルの形態安定加工もしています。これはカワシマのメーカー縫製ではできないもので、1つ山にすることによってヒダ山とヒダ山の間隔を2倍使いと同じ13センチ前後にすることによってきれいなウエーブを出すことができ、低価格にすることができます。
よく売れてます。


1,5倍形態安定加工展示


1,5倍形態安定加工展示2


 


 


 


 


 


 


メーカーは『街の業者』ができないものを提供していかなければなりませんが、我々『街の業者』はメーカーが用意してくれたものを販売しているようでは掛け率競争に巻き込まれるだけで差別化ができないのです。


当店の形態安定加工とカワシマのナチュラルウエービーの違いは、両社とも真空窯でしておりますが、当店はトタン板方式で縫製する前に形態安定加工をしておりますが、カワシマは縫製したあとに吊ってパイプ方式でしています。


当店のやり方のメリットは縫製する前に加工しますので、縦使いの生地ならば巾はいくら大きくても製作は可能で、加工することによる縮みはありません。デメリットはウエーブのピッチが25cmのものを使っているため、横リピートが25cm以外ならば、ヒダ山柄あわせができないのです。


カワシマのものは、メリットとして加工する前に縫製しますので、横リピート25cm前後のものでもヒダ山柄あわせができますが、デメリットとして、製作の最大ワイドに限界があるのと、縫製後の加工のため商品が縮むケースがあります。


当店では、お客様によりいいものを提供するために、当店でできないものはメーカーに注文をしますが、メーカーは当店に注文することはありません。


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川島織物『アッセセリスト』発売

今夜はとっても月がきれいです。明日が十三夜で18日が中秋の名月です。

月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にあらねど

こんな日は早くけいろう っと。

そういえば、2年前までは今日は『敬老の日』でした。それが第3月曜日になり、今日は『老人の日』として残っているんです。
『老人の日』って誰が何をするんでしょうか。

川島アッセ見本帳織物の新しいカーテンの見本帳「アッセセリスト」が9月1日に発売になり、昨日、今日と大阪で展示説明会があり見てきました。商品の内容的にもすばらしく、従来のカワシマのイメージの商品と違って、高級ホテルのスィートルームのイメージでフジエテキスタイルが得意とするような生地がありました。

営業戦略的にもすばらしいです。カーテンのドレープ性を向上させるソフトウエーブ加工(ソフトウエーブ加工はカーテン生地の硬さや反発力による型くずれや裾の広がりを抑え、ドレープ性向上を可能にしたプリーツ加工)をレースと一部の商品を除いて標準仕様にしています。

ソフトウエーブ加工は真空窯でする形態安定加工(カワシマではナチュラルウエービーと呼んでおり、3年後にはファンタスプリーツナチュラルウエービーと言われるかもしれない加工)と違って、カーテンを吊った状態で120℃の温度をあて、ポリエステルの熱可塑性を形状に記憶させる加工で、カワシマに縫製を依頼するとこのように加工してくれます。

私が2年半前の4月1日にエイプリールフールネタとして「サンゲツがベトナムで縫製。すべて形態安定加工で縫製」ということを書いたのですが、それをサンゲツじゃなくてカワシマがやってくれたという感じです。当時、このネタがカワシマの営業会議の話題になったそうで、密かにわたしのエイプリールフールネタを研究していたのかな?その文章は下の『続きを読む』をクリックすれば読めます。

当店では独自に形態安定加工をしており、このような加工をすることによるカーテンの美しさは十二分にわかっています。価格は従来のものより、200円/㎡アップの加工代になっておりますが、これによって縫製込みでカワシマに注文するところがかなりふえると思います。

当店では独自でやりますが、カワシマの『街の業者ができないことをするメーカーのメーカーであるべき姿勢』は他のメーカーに対して圧倒的な差別化を図る戦略となるでしょう。

来年4月にセルコンと合併します。企画における汗(アッセ)にまみれた意地のすばらしい見本帳だと思います。

また、来月にはプリーツスクリーンの見本帳をだします。プリーツとロールはタチカワ、バーチカルブラインドはニチベイ、ローマンシェードはトーソーとOEMを組んで、仕入先を競い合わせてバランスをとる戦略もすばらしい。

やはり、仕入先は一社に偏らない方がいいですよね。川島織物販売さん。

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インテリア用語の統一名称を 

私のブログによく書いています「形態安定加工」という言葉ですが、ポリエステル素材の持つ特性(熱可塑性)を利用して、半永久的に形態安定性を持続する加工のことです。

 

ポリエステルは素材が硬化しない程度の一定の温度を与えるとそのときの形態を記憶し、常温に戻したときも与えた形を維持します。この特性を利用してヒダやプリーツを生地に覚え込ませ、カーテンを縫製します。

 

当店では形態安定加工と言っていますが、各メーカーには固有の名称があります。

セルコンはファンタスプリーツ、サンゲツはパーマネントプリーツ、アスワンはリウェーブ、カワシマはナチュラルウェービー、リリカラはエレガンスプリーツ、東リはプリーツ加工、スミノエはプリーツS、シンコールはベラプリーツ(以前はエバーカーテン)、キロニーはファインプリーツといいます。

 

この言葉の中で、どれがよく用いられているかを調べるのにGoogleの検索にそれぞれの言葉を入れてヒット件数を調べました。

 

その結果は

プリーツ加工(東リ)         14700件(カーテンだけならば797件)




リウェーブ(アスワン)          107件

エレガンスプリーツ(リリカラ)      30件
ベラプリーツ(シンコール)         1件(エバーカーテンならば26件)


 
プリーツS(スミノエ)は本来の目的以外のものもかなりひっかかってくるため欄外としました。

 

ちなみに「形態安定加工・カーテン」ならば6650件あり、私のブログ「カーテン屋の奮闘記・イッキに書いても日記」は8番目に紹介されてます。

 

もっとすごかったのは「形状記憶カーテン」でこれは18800件ありました。

 

これをみてみますとプリーツ加工というのがわかりやすいのかもしれませんが、早いうちに統一名称をつけることが望まれます。

 

10年前ぐらいに日本インテリアファブリックス協会でスタイル名の統一名称が決められました。そのときはもっともよく使われている名称が統一名称になったように思います。

 

今や、業界の人ならば誰もが使う「スカラップ」も当店では五洋インテックスが使っていた「ブリッジカーテン」という言い方をしていました。

五洋インテックスがインハウスの見本帳でもっとも早く、このスタイルを世におくりだしたのですが、やはり知名度がなかったのか、ブリッジも五洋に沈んでしまいました。

 

今、私が注目しているのは川島織物とセルコンが来年4月に合併して新しい見本帳を出す時にどちらの名称を使うのだろうかということです。

 

もっとも最初に世に出し、知名度で上回るセルコンのファンタスプリーツなのか、企画部員の人数と資本比率で上回るカワシマのナチュラルウェービーなのでしょうか。

もしくは会社名と同じように単にくっつけて「ァンタスプリーツナチュラルウェービー」というのでしょうか。

両社ともプライドの高い企画者達なのでどのようになるのか関心のあるところです。

 

ファンタスウェービー」という新しい名称がでてくるのでしょうか。

形態安定加工をして「ナチュラルプリーツ」はないでしょうね。

 

この機会に川島織物の青戸社長が会長をされている日本インテリアファブリックス協会で「呼称統一検討委員会」を設けられたらいかがでしょうか。

コショウだけにピリッとしたやつをお願いします。

 


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カーテンの洗濯実験(2)

今日は滋賀県守山市までカーテンの実測打ち合わせに行ってきました。


得意先の企業の福利厚生部のご紹介物件です。遠方のため、私がメーカーの見本帳をもって打ち合わせにいってきました。私共は見本帳からカーテンを選ぶことになれておらず、この生地が吊るときれいなのかよくわからないのです。お客様はなお更で、結局現場では決めることができず、盆休みにご来店いただくことになりました。
 (当店は8月14日15日は夏期休暇をとっています。)

7月29日に書きましたカーテンの洗濯実験の続きです。

当店では形態安定加工を自社の提携加工所で真空窯を用いてしています。メーカーは各自でしていますが、自社の商品しか加工はしておらず、当店のような専門店で独自に形態安定加工の真空窯をもっているところはほとんどありません。残念ながら写真は企業秘密のため掲載できません。

形態安定加工のメリットはプリーツがきれいにでて、半永久的な持続性があります。
そして、洗濯がひじょうに楽で、そのまま吊ってもきれいなプリーツがでます。

そのように説明をしていますが、実際は洗濯したことがなかったのです。
今回の洗濯実験の主目的は形態安定加工の商品を洗うとどうなるかということです。

商品は1.5倍使いの1つ山のペンタックのものを使用しました。
結果は写真のように洗う前(写真左)と洗ったあと(写真右)はまったく同じようにシワもなくきれいでプリーツも同じでした。

まったく変化がなく、形態安定加工の商品は洗濯が楽だということが実証されました。

使用前


使用後




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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パタパタカーテン

アスベスト(石綿)の被害が大きな問題となっています。

連日、新聞に報道されていて読んでいても恐ろしい話です。話によればこれからの30~40年の間に10万人が亡くなるともいわれており、それ以上とも言われています。

 

今回、株式会社クボタが情報開示したことにより、表ざたになり、他社も相次いで情報開示するようになりました。もちろん今は法律で禁止されていますから使われていませんが、使われている物件を解体するようなときにアスベスト(石綿)の粉塵がでるというような問題が起こりますから、今まで使用状況の情報公開が重要となってきます。

 

インテリアの業界においても東りサンゲツがホームページ上で使用状況を公開しています。

それによりますと昭和62年頃までのクッションフロア、タイル、無機質壁紙には白石綿が使用されていました。

リフォームで、このような時期に使用されものをはがしたり、めくったりする場合、アスベスト(石綿)が体内にはいるというようなことはないのでしょうか。

 

メーカーも今後起こりうることに対して、もっと情報公開をして対策を講じてほしいものです。

 

昨日は、階段の間仕切りに当店オリジナルの形態安定加工をしたパタパタカーテンをつけてきました。

8センチのアコーデオンプリーツでポリエステル100%のカーテン生地で約1.5倍使いします。

1巾(巾100センチまで)で丈250センチまでで7350円です。

2巾(巾200センチまで)ならば14700円。丈は1センチ単位のオーダーです。

(カーテンレール代は含まない)

 

間仕切りに使うのに便利でアコーデオンドアならばたたみ代が大きくなりますが、この商品はカーテンに特殊な形態安定加工をしてたたみ代を小さくして、価格も安いのです。

 

 

パタパタカーテン1

パタパタカーテン2

パタパタカーテン3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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今売れてます(2)

今朝は、先日ご来店いただいたお客さまの実測に行ってきました。

お話を伺うと、昨日当店の仕入先であるファブリックのメーカーの営業が上司同行でサンプルをもって打ち合わせにきたとのことでした。

 

住宅メーカーの物件で、その元で営業活動しているようです。そのメーカーはかつては見本帳任せで営業員は何もせんだがや(千駄ヶ谷)と言われていたのです。その結果、ちょっとおかしくなり、昨年4月から体制が変わり、今年4月からは大阪店の店長も変わりました。

 

ファブリックのメーカーは住宅メーカーと直接取引きをするようになったかと思えば、これからは消費者にも営業してくるのでしょうか。

ますますやりにくくなってきています。

 

 


 

1.5倍使い1つ山形態安定加工の商品がよく売れてます

 

1.5倍使いにすることによってボリュームはありませんが価格を安くすることができます。

 

1つ山にすることによってヒダ間隔を2倍使いの時と同じように12.5センチでもってくることができます。ヒダとヒダの間隔があくともたついた感じできれいでありません。

 

1つ山は縫込みアジャスターフックを使い、カン止めしていませんのでヒダ部分に丸みがでてきれいに見えます。

縫製はすくい縫いです。

 

形態安定加工は常にきれいなドレープを出し、半永久的に形が崩れず、洗濯が楽なんです。

形態安定加工をしても2倍使いで何もしない加工よりも安くつくることができ

この商品でW200×H250で11000円です。

 

1.5倍形態安定加工3

1.5倍形態安定加工2

 

 

 

 

 

 

 

 

1.5倍形態安定加工5

1.5倍形態安定加工4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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今売れてます(1)

大阪は久しぶりに雨が上がったかと思ったら、また夜降ってきました。

 

よくお客様の方から「今,何が売れているのですか」と聞かれます。

カーテンの場合、時代的には流れがあり、今はナチュラルモダン系でしょうか。こういう表現もわかりにくでしょうし、この商品が爆発的に売れているといったものもありません。

 

その中で、当店では形態安定加工をかけた方が良い商品は形態安定加工をかけて展示し、それを標準仕様として販売するようにしました。

写真はシャンタン調の無地のドレープで当店オリジナルですが、この商品は普通に縫製した場合、吊ると裾が広がるのです。

せっかくいい柄を選んでも吊るときれいに見えないのです。

そこで、初めから形態安定加工をして縫製もすくい縫いにして商品としました。

 

形態安定加工は当店では真空窯でしておりますので半永久的に美しく、

洗濯がひじょうに簡単なんです。


 

2倍使い3つ山ヒダ縫込みアジャスターフック すくい縫い 形態安定加工

   W200×H210で17000円です。よく売れてます

 

シャンタン調ケイタイ3

 

シャンタン調ケイタイ2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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