昨年の7月に住宅メーカーを通じて仕事をしたお客様で、洗濯機で洗濯をするとカーテンが2~3㎝縮んだという連絡が住宅メーカーのホームサービス課からありました。
最初に連絡があったのは8月頭で、そのときはドレープ、レースともポリエステル100%の商品でメーカーの表示によれは寸法変化率ー1%となっているので、2~3㎝の縮みはおこりうることですとお応えして、とりあえずそれで納まっていました。
ところが先日また連絡があり、お客様が納得されていないとのことでお伺いしました。
ドレープはセルコンSP9251、レースカワシマKA9548で、製作サイズは高さ232㎝で床上がり1センチです。現場調査すると、ドレープは2センチ縮んで床上がり3センチになっていて、レースは3センチ縮んで床上がり4センチになったいるんです。(写真)
お客様は、ドレープは1%以内の縮みなので仕方がないが、レースは1%以上(1.2%)なので納得できないとおっしゃるのです。
メーカーの表示は両方とも変化率はー1%で、セルコンのドレープはウォシャブルマークがついていますが、カワシマのレースにはウォシャブルマークはついていません。(手洗いは可)
寸法変化率とは、新品の60センチ角ぐらいの生地に45センチ以上の線を3本縦方向と横方向に書いて、家庭用洗濯機で5回洗濯をして何センチ変化したかという数値で表しています。
そのため、環境によっても変わりますし、長い生地の場合は微妙な違いはでてきます。
ウォシャブルマークは日本インテリアファブリックス協会で制定された規準で、①洗濯機で洗える②収縮がほとんどない③シワになりにくい④早く乾きますに適合している商品をいいます。
しかし、この②の収縮がほとんどないというのは、寸法変化率がタテ1%以内、ヨコ2%以内のことをいっており、今回のようなケースで232㎝の丈で2センチ縮んでも収縮がほとんどないという基準に適合していることになります。
今回のレースのように3センチ縮んでも厳密さを求めないインテリア業界の常識から考えれば、仕方のないことでいわゆる想定内のできごとなんです。
今回のカワシマのレースは寸法変化率ー1%ですが、さらに厳しい社内基準をもうけており、この商品にはウォシャブルマークはつけていません。そのため、本来は洗濯機の洗濯は不可で手洗いしなければならない商品なんです。
カワシマはこうした基準は厳しい検査をしており、プレーンシェードなんかでも簡単にできそうな生地でもできないというのがたくさんあります。すばらしい企業姿勢です。
私はこのようなことを説明しましたが、お客様が納得されないならば、住宅メーカーとしてカーテンを販売時に説明責任があるが、それをしなかったからこちら(住宅メーカー)に問題があるから、ドレープレースとも新品に取り替えるということになりました。
同じ商品で同じように作れば同じことが起こるので、ひきづってもいいから長く作ってとおっしゃるのですが、今のものより2センチ長くつくり、床はギリギリにして、上はアジャスターフックで通常より1センチ上げることにしました。
さすがに、日経ビジネスの顧客満足度の住宅販売部門で顧客満足度でトップをとる会社はすごいなと思いましたが、これを我がインテリア業界で説明責任が云々といいだしたら1社じゃとても対抗できないんではないでしょうか。だから一緒になるのでしょうか。
そうすれば、他業界がなにか言ってきてもカワセルかもしれません。
平成18年4月1日川島織物、川島織物販売、セルコンが合併して
川島織物セルコンになります。
インテリア業界の雄として期待したいものです。
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