今朝の新聞を読んでいますと、「今年の夏はさらに一層の節電をお願いしたい」ということが書かれていました。
昨年は震災における原発事故による節電要請に対して、インテリア業界では、メーカーは猫も杓子も「遮熱、遮熱」となり、販売側もあまり知識がなく、「とにかく遮熱で販売」みたいなところがありました。
その結果、夏場だけの一時のブームで終わってしまいました。
今年は、メーカーも販売店もエンドユーザーに対して正しい情報を提供して販売していかなければなりません。
インテリア業界のメーカーは、他社より少しでも高い数字を並べて効果があるように訴える傾向があります。
昨年ブームとなりました遮熱レースなんかも夏だけの節電効果の数字を並べて冬場のことは一切触れてません。
川島織物セルコンも、遮熱レースの効果を訴える為に、東京本社ビルの窓に遮熱レースをつけて、チラシまで作ってましたが、冬場は外しています。
ここをお読みください。
ニチベイの2月に発売されたロールスクリーンの遮熱に関するデータは、2012年2月7日のブログにも書きましたが、冬場は全開することを前提にしたデータです。
シュミレーションには小さく、冬場の昼間は全開、夜間は全閉と書いています。
これは現実的でなく、有利な数字になるようにしているのです。
その結果、ニチベイの遮熱ロールスクリーンは何も付けないガラスだけのものに対して
・サンフレクト遮熱・・・-42%
・スヴィエ遮熱・・・・・-36%
・フォスキー遮熱・・・・-26%
・シルバースクリーン・・-42%
これだけ効果があるとカタログに書いてあります。
これに対して、1年中ロールスクリーンを全閉した時の資料を出してほしいといったところ、
さすがニチベイで、すぐに資料をくれました。
その結果、効果は
・サンフレクト遮熱・・・-42% ⇒ -34%
・スヴィエ遮熱・・・・・-36% ⇒ -31%
・フォスキー遮熱・・・・-26% ⇒ -24%
・シルバースクリーン・・-42% ⇒ -36%
1年間の電気量の節電効果は、サンフレクト遮熱という商品で、夏場はロールを閉めて冬場の昼間は開けていたら年間で何もつけない事に対して42%の節電になるのが、冬場の昼間も閉めておくと34%の節電にしかならないということです。
要するに
冬場の昼間に遮熱ロールスクリーンを閉めておくと何もつけていないガラスだけよりも寒いということで、エアコンの電気代がたくさんかかるということです。
川島織物セルコンが東京本社ビルの遮熱レースを冬場外しているように、遮熱商品は冬場は逆効果であるということは、メーカーやちょっと勉強している販売店は知っているのですが、それをエンドユーザーに伝えているかということが問題です。
それでも、冬場のマイナス面を考えても年間通じると節電効果はありますのでこれらの商品を否定しているわけではありません。
1年間同じものを同じように使っていますと、遮熱商品は冬場は逆に節電にはならず余計に電力を消費します。
そのため、レースは夏冬取り替えることをオススメしておりますし、遮熱ロールスクリーンや遮熱ブラインドを取り付けるときは、手前に普通のレースも取り付けて、冬場は遮熱商品を全開にしてレースだけにするとかするとより一層の効果があります。
インテリア業界ではニチベイのデータが一番信頼ができます。カタログに載せていないデータで自社に不利になるようなものも出してくれるし、ブログで公表してもいいかと聞いても大丈夫とのことでした。
トーソーやタチカワのデータは、自社が有利になるところを強調し過ぎです。
昨年、トーソーはニチベイの遮熱ロールスクリーン「シルバースクリーン」に対抗して、プロシャインという遮熱ロールスクリーンをあわてて発売しました。
そのデータの数字が、にわかにヨーロッパの試験データを持ち出して、より数字を大きくみせたのです。
ニチベイ(日米)に対抗してヨーロッパ。
なにをユーロ。
そして、そのデータに関して社員に聞いても詳しく説明できる人が誰もいなくて、誰に聞けばいいのかというと、ロールスクリーンに聞くのがいいようで、
名付けた商品名が「プロ社員(プロシャイン)」
2011年度インテリア業界ユーモア大賞ものですね。
詳しくは、こちらをお読みください。
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