防炎ラベルについて

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 先日、10年前に取り付けた老人介護施設から電話があり、「消防検査で、両開きの窓のところで片方は防炎ラベルがついていない。片方だけ防炎商品をつけていないのではないかという指摘をうけた」といわれました。

同じ商品をつけていて、1窓の片方だけ防炎(ぼうえん)商品をつけて、もう片方は非防炎の商品をつけるということはあり得ないのです。

商品はすべて防炎品です。

確かに、片開きの窓には、1窓につき1枚防炎ラベルをつけていましたが、両開きの窓には1窓につき1枚しかつけていませんでした。

これは当方の不手際なので、すぐに防炎ラベルを用意して縫いつけにいきました。

 

 ドレープとレースで100窓弱あり、事前にミシンで2つ折りにして縫いつけやすいようにして、現場で吊った状態で手縫いしました。

 この防炎ラベルについてですが、消防法の規定で、住宅でいうならば11階建て以上のマンションや公共施設には防炎商品を使わなければならず、その証明としてラベルを縫いつけることが義務付けられています。

防炎ラベルは日本防炎協会が発行しており、消防庁に登録した業者が、物件ごとに申請をだして1枚何十円で購入しなければならないのです。

私どもの登録番号はE-27-26692で、加盟している大阪室内装飾事業協同組合にその都度申請をして買っています。

 このラベル代がけっこうしまして、日本防炎協会はこのラベルの発行手数料だけで五億の利益をだしています。役人の天下りの温床になっていると思います。

ラベルには登録者番号が印字されていて、不正をすると仕事ができなくなるので、不正はないと思いますが、たまには物件ごとでなくまとめて申請をして他の物件に流用されているケースもあると思います。

 消防署の検査というのは、カーテンが実際に防炎品なのかどうかを燃やして調べるとか、書類の提出を求めるというのではなく、防炎ラベルがついているかどうかだけを調べています。

そのため、同じ部屋に同じカーテンがあれば性能は同じだとわかりそうなのですが、それは許されなくてカーテン1枚につき1枚の防炎ラベルを縫いつけなければなりません。

その結果、防炎ラベルがいっぱい必要になり、窓口になっている各地の室内装飾事業協同組合の活動資金になり、日本防炎協会の利益になり、天下り役人を養うことになっているのです。

 公共施設や人の集まる所は絶対防炎商品でなければなりません。これは必ず消防検査が何年かに一度はあります。

11階建以上のマンションは1階でも防炎カーテンをつけなければなりません。しかし、これは入居後に消防検査がありませんので、どの程度周知徹底されているのかは把握していません。

私どものお客様には告知はしていますが、防炎品でないと販売しないというほどでもなくお客様の判断に任せています。

新築物件で入居前で、販売ディベッロッパーが主催するインテリア相談会では、コンプライアンス(法令遵守)の立場で防炎カーテンをすすめておられます。

 インテリアのメーカーに聞くと防炎でない商品に関しては、後防炎加工をして納品するということです。金額的には防炎品でない商品より、知らない間に20%アップしているようです。

後防炎加工は、洗濯をすると防炎性能はなくなりまして、その時点でまた防炎加工をしなければなりません。そのため、防炎ラベルは縫いつけるタイプではなくシールになっています。

ディベッロッパーが主催するマンションのインテリア相談会で、このことがお客さまにきちっと説明されているのかどうかはわかりません。

当店の場合、防炎でない商品に後加工をすることはできますが、後加工をして洗濯をするとその性能はなくなりますと説明をすると、ほとんどの人が「じゃ、後加工の防炎はいいわ」とおっしゃいます。

防炎商品はそれなりに効果がありますので、出来たら防炎品を使われることをお勧めします。実験ブログはこちら

当店の場合、というかほとんどの販売店やメーカー縫製でも、指示がない限り住宅においては防炎商品であっても防炎ラベルは縫いつけていません。

その理由は ・・・・・・・・・・・・・・・

防炎ラベルが必要ならば、その旨申し出て下さい。

 

 

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コメント

  1. 相沢 より:

    カーテン屋さん様
     
     初めまして、ブログ、大変楽しく拝見しております。
     私は某量販店でカーテン部門の専任者を担当しておりますが、このブログは大変勉強になります!
     まさに知りたかった事が書いてあると言う感じです。
     色々各メーカーに問い合わせてみても、はっきりした答えが返って来ない事も多く、疑問点がもやもやしていた事がこのブログですっきりし、ご案内に役立たせていただいている事もしばしばです。
     各メーカー仕様の名称の統一化は全くの同感です!!
     新人に教えるのも大変ですし、混乱しますので…。
     御社ではTOSOの商品はよく出ますか?
     私の所では、敢えてTOSOは出さないようにしています。
     私の店は名古屋なのですが、名古屋にはTOSOのショールームが無く、自分で商品を確認した事が無いので怖くてお勧め出来ないのです…。
     レールなど特に、部品も発注単位が大きくて取れない事が多いので、レールはタチカワに搾ってしまっています。
     TOSOももっと単位を小さくしてくれたら、お勧めもし易いのですけれど…。
     ですが、このブログでTOSOの商品の利点も知れましたし、ビジック等はこれからお勧めしてみようと思います!
     同僚にもこのブログが大変為になると勧めておきますね!
     どうかこれからも、お客様にも同業者にも勉強になるこのブログ、頑張って続けて下さいね!
     心から応援しております。

     また、大変わたくし事ですが(笑)、私は趣味で小説を書いておりまして、先日カーテン屋を主人公にした話をサイトに上げた所、意外な程反響がありました。
     「設定が斬新で面白い」とか、「カーテンがこんなに奥深いものだとは思わなかった」とか「家のカーテンがいとしくなった」とか…。
     まだまだ窓装飾の関心は薄いのかなあと思うと同時に、興味を持ってもらえる切っ掛けになれたかも…と嬉しい出来事でした。
     もっと色々な商品が普及するといいですね!

     それではこれで。
     貴社の益々のご発展を心からお祈りしております。
     乱筆乱文失礼いたしました。

     相沢

  2. 小嶋@カーテン屋の奮闘記 より:

    コメントありがとうございます。
    お誉めいただきうれしく思います。
    こういう読者の声が励みになります。

    ぜひ、小説を読ませてください。

  3. 森嶋 より:

    カーテン屋様

    やんごとなき理由で、行き掛り上、仕方なくある施設のカーテンの縫製を頼まれ、一応消防のこともあり、防災ラベルのことも考えねばと、ググッていたら、このサイトに出会えました。
    興味深く拝見しました。
    「イッキに書いても日記」のキャッチーなコピー機に要りました。
    使わしてもらお(笑)

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