形状記憶

形状記憶加工と形態安定加工と、そして形状安定加工

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今日も大阪は暑かった。

気象庁の3カ月予想によると、この年の夏は気温が高めで、特に9月は残暑が厳しくなるとのことです。商売的には暑くなるのはいいのですが、体力的にはきついのです。

さて、本題です。

横浜・東京に行った時に何軒か大型ショップを勝手に見学させていただきました。

今は巾200×丈200のサイズで2倍使いで1万円というより付加価値をつけて
「形状記憶加工付き」で1万円と言う感じで「形状記憶加工」というのが当たり前になってきました。

私はテレビでみたことがないのですが、ニトリが盛んにCMで「形状記憶加工付き」で2倍使いで巾200×丈200センチのサイズで10000円というのをやっています。

首都圏で多店舗展開している大型雑貨店のKEYUCA(ケユカ)は1.5倍使いで「形状記憶加工付き」で巾200×丈200センチのサイズで10000円でした。

私が、ここでいっている「形状記憶加工」と言うのは真空釜でする加工のものを言っています。

ニトリもKEYUCA(ケユカ)も真空釜でやるタイプです。

この真空釜でやる方法も各社違いまして、縫製する前にするのもありますし、あとからのところもあり、型紙を使うやり方やパイプを使うやり方もあります。

それに対して、ブログでよくいう「形態安定加工」と言うのは、縫製した後から簡易的にやるのを言っています。これも各社違います。

インテリア業界では、だいたいこれで通じると思います。

先週、サンゲツがエバープリーツという名称で「形状安定加工」というのをやり始めました。これに関してはよく説明を受けていないし、同業者に聞いても好き勝手に解釈されているようなのでよくわかりません。

明日発売の東リの見本帳には以下のように説明されてます。

先ず東リは一般名詞は使っておらず、なんとなくわかる固有名詞をつかっています。

私がブログに書いている「形状記憶加工」は「プリーツ加工」となっていて、

カーテン自体に美しいプリーツの形を記憶させる縫製仕様です。
カーテンをかけたその日から美しいウエーブが楽しめます。

洗濯しても美しいプリーツ性は損なわれません
薬剤などは一切使用しておりません。

それに対して、「形態安定加工」は「ソフトプリーツ加工」となっています。

カーテン自体のドレープ性を向上させる縫製仕様です。
カーテンをかけたその日から美しいウエーブが楽しめます。

洗濯しても美しいドレープ性を持続します
薬剤などは一切使用しておりません。


こういった説明だけなんです。

この違いがわかりますか?

販売する側は、その違いがわかっているのかわかっていないのかよくわからないです。

ニトリもKEYUCA(ケユカ)も「きれいなプリーツがでる」程度しか説明していません。

だから、エンドユーザーはその違いに関してもまったくご存じないと思います。

メーカーの縫製では価格も違いまして、形状記憶加工の方が高いのです。
一般的によく言われるのが、形状記憶加工の方が型崩れしにくくて何回洗濯してもきれいなウエーブを持続するが、形態安定加工は、4~5回の洗濯で型が崩れるといわれます。

これもメーカーの使っている機械によって違うのです。

でも、私に言わせると4~5回で型が崩れてもその時は5年以上経っているしそんなに大きな問題ではないと思っています。

そんなに目くじら立てる問題でもなくどっちでもいいのかなと思います。

冒頭の写真は当店の大阪店の展示サンプルで違いを見せています。

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左上の写真は、遮光の同じ生地の色違いで、左が普通の2倍使いの縫製、まん中が形状記憶加工、右が形態安定加工です。

右上の写真はその拡大で左が形状記憶加工、右が形態安定加工

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左上は形状記憶加工、右上は形態安定加工(写真はクリックで拡大)

メーカーの見本帳をみても、両者とも未加工のものと加工したものとの対比写真はたくさんあるのですが、形状記憶加工と形態安定加工を対比したものはないと思います。

たぶん見た目そんなに変らないからだと思います。

当店の場合は、ちょっとだけ違いまして、形態安定加工の方がウエーブが鋭角になります。

これを説明をすると形状記憶加工になることが多いのです。

これはあくまで当店のケースで、機械によって違いますので、すべて同じではありません。

当店では生地の特性をみて、どちらがいいかをすすめています。

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実験シリーズ② 簡易型形態安定加工の洗濯実験 途中経過

5月3日憲法記念日です。


昨日のブログで簡易型形態安定加工について、よく洗濯をすると3~5回ぐらいで型が崩れると言われていると書きました。


当店でははたしてそうなのかどうかを実験をしています。まだ、途中経過で3回しか実験をしていませんが報告します。


メーカーの縫製においても、簡易型形態安定加工の機械が違いますので、各メーカーに聞いても答えはバラバラです。川島織物セルコンは3回程度、東リも3回、住江織物は2回、シンコールは4~5回ぐらいの洗濯で形態安定の型が崩れると言っています。


実験データ


 


 


 


 


 


 


 


 


 



これは平成18年に富山県工業試験センターで実験したデータです。(ジャパンテックスでメーカーのラポージュのブースでいただきました。)洗濯したあと、両端を持って広げて離すと何センチの広がりになるかを調べたものです。


形態安定加工をしたものは洗濯する前は27センチ、1回目34センチ、2回目38センチ、3回目38センチ、4回目39センチ、5回目41センチになっています。


未加工のものは洗濯する前が35センチ、1回目51センチ、2回目49センチ、3回目49センチ、4回目47センチ、5回目48センチとなっています。


この実験では形態安定加工をしたものも、洗濯するたびに少しずつ広がっていく結果がでています


メーカーがいう3~5回ぐらいの洗濯で型が崩れるというのは正解です。でも私は5回以上しても大丈夫だと思っているんです。誤解のないようにいっておきますが、この実験は1日で連続してやったものです。


5回洗濯するには1年に1回しても5年はかかります。2年に1回ならば10年はかかるのです。
その間に生地もへたりますし、折り癖もつきます。10年経ったら型が崩れて問題だというほどのものではないと思っています。


私はメーカーがいう簡易型形態安定加工は洗濯3~5回で型崩れをするというのは大きな問題ではないと思っています。


今、当店で実験をしているのはずっと吊り放し状態で1か月に1回洗濯をしています。


縫製したあと、形態安定加工をする前の状態です。


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形態安定加工機にセットしました。 


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簡易型形態安定加工をしました。 


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カーテンを洗濯をする前の状態です。(2009年2月13日) 


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1回目の洗濯をしました。(2月13日) 


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2回目の洗濯をしました。(3月21日) 


2回目


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


3回目の洗濯をしました。(4月20日) 


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今は3回洗濯をしてこんな状態です。


とりあえず、こんな状況です。これからも毎月1回洗濯をしていきます。


今後の報告に期待しておいてください。



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簡易型形態安定加工と形状記憶加工の比較サンプル

今、流行りの簡易型形態安定加工形状記憶加工違いについて縫製サンプルで説明します。


まず、この名称に関しては各メーカーそれぞれ好き勝手に名前をつけており、呼び名もまちまちで加工方法も違います。この件に関しては今までも何回もブログで書いておりますのでまずは右欄外カテゴリー一覧の「形状記憶・形態安定」をお読みください。


一般的に縫製をした後から、簡易的にプリーツをきれいにする加工を当店では簡易型形態安定加工と呼んでいます。圧倒的知名度では川島織物セルコンのソフトウエーブ加工が知れ渡っており、これをメーカー縫製の標準仕様としている東リはソフトプリーツ加工と呼んでいます。


それに対して、真空釜できちっと加工するのを形状記憶加工と呼んでいます。川島織物セルコンはファインウエーブと呼んでいますが、以前はナチュラルウエービーとか言ってましたのでこちらの方は名称としての認知度は低いです。


この2つの加工の違いでは、簡易型形態安定加工では洗濯3~5回で型崩れがして、形状記憶加工の方は半永久的ですというような言い方をいます。


今、当店では簡易型形態安定加工の洗濯実験をしていまして、何回で型が崩れるかをしらべています。後日報告しますが、3回ではまったく問題はありません。私は洗濯のことはあまり問題としていません。(2009年5月3日のブログ参考


よく、メーカーの見本帳や専門店のホームページを見ると、その違いについて説明をしていますが、ほとんどが簡易型形態安定加工をした場合と未加工との比較か、形態安定加工をした場合と未加工の比較なんです。


簡易型形態安定加工形状記憶加工の比較はまったくありませんでした。


川島織物セルコンの見本帳にもソフトウエーブファインウエーブの違いがわかる比較写真はありませんでした。カーテン夢工房大阪店では比較サンプルを展示しています。


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上の写真は同じ遮光の生地を使っています。左は未加工の商品、真中は形状記憶加工右は簡易型形態安定加工の縫製サンプルです。


形状記憶加工もやり方がいろいろありますが、当店ではトタン板みたいな型紙に寝かして真空釜に入れるやり方です。このやり方が一番多いと思います。


簡易型形態安定加工もやり方がいろいろありまして使っている機械によって違いますのですべてここでの説明と同じではありません。私どもは川島織物セルコンと同じラポージュのプリーツフォーマーを使っています。このやり方が今、一番シェアが高いと思います。


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この上の写真(クリックすると拡大します)は真空釜でやる形状記憶加工です。
ウエーブに丸みがあります。


 


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下の写真は簡易型形態安定加工の写真です。


 


 


 


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当店が使っている簡易型形態安定加工の機械では、下のウエーブが鋭角でソフトウエーブではなくシャープウエーブになります。そのかわり、下から熱を与えるので生地の真ん中あたりはかかりが弱くなり自然なウエーブで丸みがありきれいで(この上の真ん中の写真)、これぞまさしくソフトウエーブなんです。


当店で使っている機械がこのように少し鋭角なウエーブになるだけで、すべての易型形態安定加工がこうなるわけではありません。川島織物セルコンは同じです。東リが使っているユニテックパロマのものも同じように鋭角になります。この手の機械のパイオニアである極東産機のパーマネントフィニシャーは、発売当初の機械は当店の加工所にありましてよくわかっていて、その機械では裾は鋭角にはなりません。これはこれなりに問題点があり、その後モデルチェンジをしており、その機械に関しては詳しく知りません。直本工業の機械については詳しくは知りません。


当店の加工ではこのような違いがあります。真空釜でやる形状記憶加工の方が人気があります。


 


下の写真は未加工のものです。


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当店では簡易型形態安定加工か形態安定加工をされることをお勧めしています。


当店では自社の加工所でやっていますので、ポリエステル100%の生地ならばほとんどこのような加工をすることができます。メーカー縫製に依存していませんので、このメーカーの商品はできるけど、このメーカーはできないというようなことはありません。
カーテンは商品知識が豊富で、こだわりのある専門店で買いましょう。


オーダーカーテンはどこで買っても同じではありません。


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カーテンクリーニングで簡易型形態安定加工

昨日も書きましたが、最近、簡易型形態安定加工・形状記憶加工のカーテンが多くなってきています。そうすると、その加工がされていないとカーテンの広がりが気になってくるのです。
4~5年前まではこれが普通だったんですが・・・


他店で購入したカーテンで私のブログを読んで、あとから簡易型形態安定加工ができますかという問い合わせがたまにあります。できないことはないのですが、他店で購入の商品に関しては加工代を高く設定していますので、割に合わないと思います。


当店でカーテンクリーニングをしたら簡易型形態安定加工をしてもらえるかという問い合わせが最近増えてきました。これは、標準仕様でやっています。
でも、レーヨンや綿の入っている商品は低温でするのですが、加工をしてプリーツたたみ(アコーデェオンたたみ)をするとプリーツがつき過ぎてパタパタカーテンみたいになるので、この場合は平たたみで納品して現場でプリーツをとっています。


先日も、7年間一度も洗っていないのだけど、ずっとカーテンの納まりが気になっていて、クリーニングをするときれいなプリーツになりますかという問い合わせをいただきカーテンクリーニングをさせていただきました。


洗う前


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カーテンクリーニングのあと


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7年間吊っていても、ヒダ(プリーツ)がきれいに出ない商品はずっとでないのですが、簡易型形態安定加工をするときれいになります。当店でお買い上げの商品ではなかったのですが、カーテン屋の目からみて丈が少し短かったのでクリーニング後納品時に調整しました。


当店はお客様で洗えるカーテンはできるだけご自宅で洗っていただきたいと思っています。当店のカーテンクリーニングはちょっと高いのです。でも、こうした付加価値や取付取り外しの手間もみとめていただけるならば利用する価値もあると思っています。


先日も家一軒丸ごとカーテンクリーニングをさせていただきました。19窓ありまして、クリーニング代が14~15万円でした。10日程かかりまして、その間、仮吊りカーテンをお貸ししました。プレーンシェードやバルーンシェードもたくさんあり、現場で組み立てながら不良になった部品を交換して納品に3時間半かかりました。
13年間1度も洗っておられなかったので見違えるぐらいきれいになりました。


この時期にカーテンを洗いましょう。


冬場、結露でカーテンに水分を含んでいてそのままにしておくとカビになります。


カビになるととれませんよ。


まずは自宅でレースの洗濯をしましょう。


ここを読んでください。


当店のカーテンクリーニングは営業テリトリーでの範囲で承っています。


カーテンクリーニングのネットでの取扱いはしていません。


カーテンはネットで洗いましょう。


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レースも簡易型形態安定加工をしましょう。

住宅メーカーの仕事で川島織物セルコンが縫製している現場で気づいたこととして、最近はドレープ(厚手)はほとんど簡易型形態安定加工をしているんです。


この簡易型形態安定加工というのは左欄のカテゴリーの「形状記憶・形態安定加工」のところにいっぱい書いていますので、それを読んでいただきたいのですが、縫製後、吊った状態でアイロン掛けするような加工できれいなウエーブをだすことができます。


川島織物セルコンではソフトウエーブ加工(SW)と呼んでいます。


川島織物セルコンは加工可能な生地はフジエテキスタイルの生地もソフトウエーブ加工(SW)をしており、すごくきれいに仕上がっています。これは川島織物セルコンのPRの成果で、住宅メーカーにも簡易型形態安定加工をすればきれいということを認識させました。しかも、「SW」という表現で。


さすがに川島織物セルコンの営業力はすばらしい。


しかし、レースは簡易型形態安定加工はしていないのです。


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上の写真は川島織物セルコンが住宅メーカー用に縫製したものです。


ドレープはソフトウエーブ加工をしていますので、きれいにウエーブが出ています。レースはしていないので、普通縫製なんですがきれいにみえないのです。


川島織物セルコンはレースのソフトウエーブ加工は標準仕様でやっていないためPRをしていないのだと思います。


レースにこそ、簡易型形態安定加工をすべきなんです。


当店では、一部のリーズナブル生地を除いて、ほとんど簡易型形態安定加工か形状記憶加工をしています。簡易型形態安定加工は無料です。


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上の写真は、当店の施工例でレースはサンゲツのミラーレースで、2倍使いにして簡易型形態安定加工をしています。ドレープはリリカラで1.5倍使い1つ山で形状記憶加工をしています。


サンゲツもリリカラもメーカー縫製をしないで自社でするときれいに仕上がります。


ミラーレースは何も加工をしなければきれいなウエーブが出にくいのですが、簡易型形態安定加工をすることによってなんとか納まります。


当店の簡易型形態安定加工は川島織物セルコンと同じ機械を使っておりますが、この機械の問題点は川島織物セルコンのドレープ(厚手)と当店のレースの写真のようにヒダのウエーブが鋭角になることです。それでもこの加工をしないよりははるかにいいです。


この簡易型形態安定加工のウエーブの鋭角が気になる方は、形状記憶加工をお勧めします。
これは上のドレープの写真のようにきれいなウエーブがでます。この施工例は1.5倍使いです。
この加工は有料です。


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