今、流行りの簡易型形態安定加工と形状記憶加工の違いについて縫製サンプルで説明します。
まず、この名称に関しては各メーカーそれぞれ好き勝手に名前をつけており、呼び名もまちまちで加工方法も違います。この件に関しては今までも何回もブログで書いておりますのでまずは右欄外カテゴリー一覧の「形状記憶・形態安定」をお読みください。
一般的に縫製をした後から、簡易的にプリーツをきれいにする加工を当店では簡易型形態安定加工と呼んでいます。圧倒的知名度では川島織物セルコンのソフトウエーブ加工が知れ渡っており、これをメーカー縫製の標準仕様としている東リはソフトプリーツ加工と呼んでいます。
それに対して、真空釜できちっと加工するのを形状記憶加工と呼んでいます。川島織物セルコンはファインウエーブと呼んでいますが、以前はナチュラルウエービーとか言ってましたのでこちらの方は名称としての認知度は低いです。
この2つの加工の違いでは、簡易型形態安定加工では洗濯3~5回で型崩れがして、形状記憶加工の方は半永久的ですというような言い方をいます。
今、当店では簡易型形態安定加工の洗濯実験をしていまして、何回で型が崩れるかをしらべています。後日報告しますが、3回ではまったく問題はありません。私は洗濯のことはあまり問題としていません。(2009年5月3日のブログ参考)
よく、メーカーの見本帳や専門店のホームページを見ると、その違いについて説明をしていますが、ほとんどが簡易型形態安定加工をした場合と未加工との比較か、形態安定加工をした場合と未加工の比較なんです。
簡易型形態安定加工と形状記憶加工の比較はまったくありませんでした。
川島織物セルコンの見本帳にもソフトウエーブとファインウエーブの違いがわかる比較写真はありませんでした。カーテン夢工房大阪店では比較サンプルを展示しています。
上の写真は同じ遮光の生地を使っています。左は未加工の商品、真中は形状記憶加工、右は簡易型形態安定加工の縫製サンプルです。
形状記憶加工もやり方がいろいろありますが、当店ではトタン板みたいな型紙に寝かして真空釜に入れるやり方です。このやり方が一番多いと思います。
簡易型形態安定加工もやり方がいろいろありまして使っている機械によって違いますのですべてここでの説明と同じではありません。私どもは川島織物セルコンと同じラポージュのプリーツフォーマーを使っています。このやり方が今、一番シェアが高いと思います。
この上の写真(クリックすると拡大します)は真空釜でやる形状記憶加工です。
ウエーブに丸みがあります。
下の写真は簡易型形態安定加工の写真です。
当店が使っている簡易型形態安定加工の機械では、下のウエーブが鋭角でソフトウエーブではなくシャープウエーブになります。そのかわり、下から熱を与えるので生地の真ん中あたりはかかりが弱くなり自然なウエーブで丸みがありきれいで(この上の真ん中の写真)、これぞまさしくソフトウエーブなんです。
当店で使っている機械がこのように少し鋭角なウエーブになるだけで、すべての簡易型形態安定加工がこうなるわけではありません。川島織物セルコンは同じです。東リが使っているユニテックパロマのものも同じように鋭角になります。この手の機械のパイオニアである極東産機のパーマネントフィニシャーは、発売当初の機械は当店の加工所にありましてよくわかっていて、その機械では裾は鋭角にはなりません。これはこれなりに問題点があり、その後モデルチェンジをしており、その機械に関しては詳しく知りません。直本工業の機械については詳しくは知りません。
当店の加工ではこのような違いがあります。真空釜でやる形状記憶加工の方が人気があります。
下の写真は未加工のものです。
当店では簡易型形態安定加工か形態安定加工をされることをお勧めしています。
当店では自社の加工所でやっていますので、ポリエステル100%の生地ならばほとんどこのような加工をすることができます。メーカー縫製に依存していませんので、このメーカーの商品はできるけど、このメーカーはできないというようなことはありません。
カーテンは商品知識が豊富で、こだわりのある専門店で買いましょう。
オーダーカーテンはどこで買っても同じではありません。
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