フラットというと一般的には「平らな」という意味ですが、カーテン業界では
ひだ山のないカーテンのことを言います。
レールの長さとほぼ同じフラットカーテンは1倍フラットカーテンといい、
レールの長さに対して生地の巾が1.3倍ぐらいのものを1.3倍フラットカーテンと
いいます。
フラットカーテンといえば最大で1,5倍ぐらいのイメージで、
これはレールに対して1,5倍の生地巾のあるひだ山のないフラットです。
サンゲツが2023年2月9日に新しく発売したカーテンの見本帳「AC」には
「SAウェーブ」という名称の約2倍使いのフラットカーテンがあります。
これは今年流行りそうな予感がします。
カーテン業界では、ずっと以前は2倍使いにしてたっぷりヒダをとるのが
いいんだみたいなところがあり、生地の出荷量も多かったのです。
それが、1,5倍使いのカーテンでもいいのではとなり、またシェードがよく
売れるようになったり、1.3倍ぐらいまでのフラットカーテンが増えたりしてカーテンの
出荷量がかなり減ってきました。
それに代わるものとしてメカものと言われるロールスクリーンやバーチカルブラインドも
増えました。
メーカーもなんとか対策を考えているようで、今年は
『生地たっぷりのフラットカーテン」で仕掛けてくるのではないかと思っています。
サンゲツの「SAウエーブ」の店内展示サンプルです。
生地はAC-2515です。
これはサンゲツのオリジナルスタイルで、25㎝ピッチの
形状記憶加工(真空釜でするタイプ)をして、独自のピッチキープが
できるオリジナルのフラット芯地を使っています。
形状記憶加工をしていますので、丸みのあるきれいなウエーブが
均等にでます。
↑ 裏からみた写真
フラットの谷側の底でピッチキープコードを使っています。
両開きの真ん中はフラットのレースに形状記憶加工をすると
逆V字になって、真ん中に隙間ができるのですが、それができないように
うまく工夫されています。
これは素晴らしい発想です。
2mのレールに対して、両開きに作るとフックが32個必要で、片方に
寄せるとたまりが60㎝ぐらいになります。
裾は形状記憶加工をしていますので、ウエイトロックはできなくて
2.5㎝の折り返しです。
生地はレースに切り替え(パッチワーク縫製)のようにみえる
プリントがしてあり、切り替え位置は裾から70㎝ぐらいまでで
自由に決めることができます。(AC-2515)
サンゲツ関西支社の隣にあるセントレジスホテル大阪でも12年前に
オープンの時から各部屋は2倍使いのフラットカーテンがドレープ
(厚手カーテン)で使われています。
こちらもフラットでひだ山がありませんが、生地はたっぷり使っています。
SAウエーブはサンゲツの生地でしかできませんが、
当店でもフラットの2倍使いのものを展示しています。
これは、トーソーのシエロというレールとピッチキープコードを使って
います。
トーソーのウエーブテープⅡというフラット芯地を使うと、1.5倍使いか
1.875倍使いになるので、フラット芯地は一般的なものを使っています。
このレールでピッチキープコードを使って、形状記憶加工をすれば
他メーカーの商品でも約2倍使いのフラットカーテンが作れます。
ポイントは形状記憶加工とピッチキープコードです。
これはサイレントグリスのスイス製の生地で、形状記憶加工も
形態安定加工もしていません。
裾はメロー仕上げです。
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