窓装飾プランナーBOOK 〜呼称②について〜

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昨日の続きです。

インテリア関連用語の呼称についてです。

私がやいやいいうのは、各社が好きな名前を付けて(固有名詞)それをとおそーとすると

エンドユーザーに浸透しないし、NHKの番組やニュースでも取り扱ってもらえないため、

結局、インテリア業界として損をしているのです。

固有名詞をつけて他社との違いをアピールしたいのはよくわかりますが、エンドユーザー側から

みればそれがなになのかさっぱりわからないのです。

必ず、一般名詞も併記してもらいたいのです。

その最たる例がカーテンのヒダをきれいに出す加工の

形態安定加工と形状記憶加工です。

窓装飾プランナーBOOKの73ページにこれに関して参考になる話が載ってます。

global10@mx1.alpha-web.ne.jp_20140418_213608_001

ここに各メーカーの名称が書かれています。

各社好き勝手に名前をつけているのですが、この各社の名称以前の問題として

形態安定加工」と「形状記憶加工」の呼称の問題があります。

ここには注釈として、

形態安定加工」に関しては

カーテンのひだに沿わせて熱風を当て、ひだの形をキープする加工 となっていて

形状記憶加工」は

ひだが寄った状態のカーテンをそのまま専用の真空釜にセットし、真空状態で生地に

熱を加える加工 となっています。

日本インテリアファブリックス協会の正会員のファブリックメーカーの多くは

形態安定加工にラポージュの「プリーツファーマー」という形態安定加工機を使っており、

これは確かに熱風を当てますが、元祖であり今でもよく使われているNIF正会員の極東産機の

パーマネントフィニシャーはスチームを当てる仕組みになっています。(注1

そのため、熱風を当てるというのは正しくなく、「熱風や蒸気を当て、ひだの

形をキープする加工」としなければならないのですが、

試験には「形態安定加工と形状記憶加工の違いは?」なんていう問題は

出ないと思いますのでどうでもいいことです。

 

この「形態安定加工」と「形状記憶加工」というのも、この教科書を見る限り

やっと認知されたようです。

川島織物セルコンは「形状記憶加工」という言葉を今でも認めておらず、

自社の「ファインウエーブ」に関しては、「上級形態安定加工」という言葉で

説明しています。

川島織物セルコンもこれからは「形状記憶加工」という言葉を業界の統一名称として、

需要活性化のために使ってもらいたいものです。

当店では、「形状記憶加工」とよりわかりやすく「簡易型形態安定加工」という

言い方をしています。

形状記憶加工は、真空釜でするタイプで、「簡易型形態安定加工」は吊った状態で

アイロンをかけるようなものですと説明しています。

今後は「簡易型形態安定加工」とはせず、業界の指標の従いまして

「形態安定加工」としていきたいと思います。

 

この教科書が実によくできているなと感心するのは、机上の理論で完全にマニュアル化

するのではなく、現場サイドに立って「Case Study」ということでいろんなケースを

書いていることです。

ここにカーテンの奥深さがあるということがわかるようになっています。

この73ページは発注の際の巾のゆとりに関してケーススタディをしています。

 

カーテン業界の今までのマニュアル化されたものでは、カーテンを発注する際は、

レールの長さに対して5%大きく作りましょうと言われています。

しかし、ここのケーススタディでは、

カーテンの巾が広い場合、ゆとりを5%としてしまうと、カーテン全体の巾が広すぎてしまいます。

例えば、巾400㎝カーテンのゆとりを5%とすると、全体で420㎝になり、ゆとり分

だけで20㎝の巾になります。このような場合は数値にとらわれず、バランスを見ながら

やや少なめにゆとり分を調整します。 と書かれています。

 

これは専門店ならばどこでもやっていることですが、教科書にここまでわかりやすく

現場サイトに立って書かれているのはすごいと思いました。

 

また、形態安定加工、形状記憶加工のゆとりでは、形態安定加工では2〜3%程度、

より効果が高い形状記憶加工では5%のゆとりを加えます。と書かれています。

これは知りませんでした。

たいへん勉強になりました。

当店ではレールの長さによってゆとり巾を変えたり、カーテンレールに

天付け(Aフック)するのか正面付け(Bフック)かによってゆとり巾を

変えます。

(正面付けでゆとりがあり過ぎるとあまりきれいでないため)

また、ヨコ糸の素材によって心持ちゆとり巾を変えたりします。(横糸に綿が入っている場合)

天付け(Aフック)か正面付け(Bフック)かによって芯地を変えたりもしますが、

形態安定と形状記憶でゆとり巾を変えるというのはやったことがありません。

勉強になります。

このようにたいへん役にたつインテリアに関する窓装飾の教科書ですから

関係者はぜひ購入されて勉強されることをお勧めします。

 

本の申込みはこちらです。

 

4月23日記入

注1)

縫製加工業の友人から連絡があり、

極東産機のパーマネントフィニッシャーに関しましては2種類あり、

もう一つは「パーマネントフィニッシャーHyper」で、こちらはアイロン式になっていて

スチームは使わないとのことです。

そのため、極東産機のものイコールスチームではないと指摘をいただきました。

形態安定加工とは、カーテンを吊った状態で熱風、スチーム、アイロンを当てて、

ひだの形をキープする加工となります。

私の勉強不足で、関係者にご迷惑をおかけしました。

お詫びいたします。

 

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