初めてオーダーカーテンを注文される方への講座⑥ 防炎カーテン

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初めてオーダーカーテンを注文される方への講座の第6回目です。今回は「防炎カーテン」について説明します。過去の講座に関しては欄外のカテゴリー「商品知識」をご覧ください。

これは「ぼうえんカーテン」と読みます。よく「ぼうさいカーテン」と言われる方がおられますが、それは間違いです。

mark2防炎カーテンについては、欄外のカテゴリーの「防炎カーテン」を先にお読みください。

過去にも書いてきましたように、住宅においては消防法8条の2と3に規定されていまして、31m以上の建物においては防炎カーテンを使用しなければならないとなっています。

31m以上というのは11階建て以上にあたりまして11階建て以上のマンションにおいてはたとえ1階にお住まいでも防炎カーテンを使用しなければなりません。
一般の住宅においてはその限りではありません。)


「消防法」という法律では、11階建て以上のマンションにお住まいの方は、「防炎カーテン」をしなければならないのです。

しかし、実際においては罰則規定もありませんし、入居後に消防検査があるわけでもなく、野放しにされているのが現状です。当店でも、お客様に対してはポスティングチラシでその旨を告知していますが、積極的にマンション名をお聞きして「防炎カーテン」でなければならないですよといっているわけでもありません。

ほとんどのカーテン販売業者はそうだと思います。
リーズナブル価格の商品に防炎品が少ないからだと思います。
マンションの内覧会のカーテンのオプション販売会では、事業主の立場がありますので、 一応防炎カーテンをすすめると思います。

火災保険においても、防炎カーテンをつけているからといって、今のところチェック項目には入っておらず、契約金額が安くなるわけではありません。
また、逆に火災が起こった時に防炎カーテンをつけていなかったから、法令順守でないから支払いがされないということもありません。
私が取引のある損保会社に伺ったのですが、損保会社自体、防炎カーテンのことはまったく意識ありませんでした。

お客様の判断におまかせしています。


「防炎」カーテンには、糸に燃えにくい繊維を使ったもの(難燃素材)と、後から普通のカーテンに「防炎加工」を施して燃えにくくしたものとの2種類があります。

防炎ラベルには(イ)(ロ)(ハ)(ニ)とランクがあります。
(イ)ラベルは水洗い洗濯、ドライクリーニング後も再処理が必要でないもので、一般にはこれを防炎ラベルと我々では言っています。

(ロ)はドライクリーニングのあと、(ハ)は水洗い洗濯のあと、(ニ)は両方ともあとに再処理が必要な場合になります。

たまに、高層マンションの入居者で、消防法の規定で非防炎の生地にあとから防炎加工ができますかという問い合わせがあります。この場合、ほとんどの生地でできるのですが、洗濯すると再処理が必要となってくるため、洗濯するたびに防炎加工しなければ効果がないということになってきます。

そう説明をするとほとんどの方は、「それじゃ、いいです」となります。

3~4年前に(ホ)ラベル、(ヘ)ラベルというのができました。
これは、洗濯後再処理したもののラベルで、(ヘ)ラベルはポリエステル100%の商品に限るとなっています。

リリカラの商品には『(ヘ)防炎後加工可』という商品がたくさんあります。(ヘ)ラベルのとれる処理業者は限られていて、貼るシールで、あまり役に立つものでもなく屁みたいなラベルです。だから(ヘ)ラベル  くっさぁ~

日本防炎協会はラベルを発行することによって得られる収入は年間4億ぐらいありまして、ラベルをばんばん発行することによって儲かるようになっているのです。

ちょっと専門的な話になるのですが、今、インテリアの業界で防炎処理剤の問題で大きな動きがあります。

防炎処理剤はハロゲン系と非ハロゲン系(ノンハロゲン)がありまして、ハロゲンの臭素系難燃剤HBCDが水質汚染要因になるということで、ハロゲン系の防炎剤は使わないようにしようという方向性になっています。

日本インテリアファブリックス協会は2011年3月までにハロゲン系の防炎剤は使わないようしようという指針を出しました。

今使われているカーテンの防炎剤で、どのぐらいの商品がハロゲン系で、ノンハロゲンがどのぐらいかは良く分かりませんが、今回だした川島織物セルコンのフェルタは全点防炎商品ですべてノンハロゲン系です。

川島織物セルコンの青戸相談役が、日本インテリアファブリックス協会会長の時に旗振りされたために先陣をきりました。そのため、価格が旧商品に比べて7~11%値上がりしました。

臭素系難燃剤HBCDは禁止薬物でもなく、この商品をつかった防炎カーテンを取り付けていると家庭でなにか問題が起こるというものでもありません。
処理過程の段階で、この薬剤が河川に流れることが問題となっています。

これは世界的な動きで残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(ポップス条約)で方向性が決められています。

防炎剤でノンハロゲンとしては、リン系があり、今後カーテンの防炎剤はこれが主流となってきますが、これを使うことによって価格が大幅にアップします。定価でいうと300円~500円はアップします。

リン系は必ずしも安全かというとそうでもなく、中国では禁止薬物になっており、琵琶湖の水質汚染の問題もあります。

カーテン屋としては、私はまだいろんなことを知っている方ですが、この程度の知識しかありません。

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織物研究会 私はチーム・マイナス6%です

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コメント

  1. mockingbird より:

    カーテンまたはインテリアファブリックにおいて、「防炎」と「難燃」とは違うのですか?

  2. いつもブログをよんでいただいていてありがとうございます。

    「防炎」は消防法に基づく表記で、「難燃」は建築基準法に基づく表記です。それぞれに、日本防炎協会、日本難燃協会というのがありまして、所轄の役所も違いますが、言っていることは同じようなことです。

    カーテンは後から取り付けるものなので、消防法に基づいて「防炎」という表記になっています。

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