初めてオーダーカーテンを注文される方への講座④ 巾継ぎの問題

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1年に1回ぐらい、せっかくオーダーで注文したのに巾継ぎされているのはおかしいとクレームをいう人がおられます。


オーダーカーテンには巾継ぎがはいります。


スーツにも背中のど真ん中に巾継ぎが入っているように、ほとんどの布商品には巾継ぎが入ります。
カーテンで巾継ぎが入らないケースは小さい窓や横使いの生地をつかった場合です。レースに多いのですが3M巾の生地がありまして、これを横使いに使うと巾継ぎは入りません。


厚手(ドレープ)でも横使いの生地はあります。スペイン製に多く、国産でも以前はセルコンや五洋インテックスが出していましたが、あまり売れなかったのか最近は見かけません。当店でも、幅継ぎが入るのがイヤという人がおられましたので、横使い生地コーナーというのをつくりましたがほとんど売れませんでした。


ただ、既製カーテンには巾を継いでいないものがあります。片開きで巾1Mのもので、これは150センチ巾の生地を使っており、1.5倍使いをしますと巾継ぎなしでできます。これを2枚使って両開きで巾2Mの窓に使えば巾継ぎなしのカーテンになります。


カーテン生地の場合はほとんどが100㎝巾~150㎝巾で、タテにつないで、2倍使いにするならば仕上がり幅の2倍になるように巾継ぎをします。


巾使い


 


 


 


 


 


 


 


横使いの生地は下の絵のように生地を横にとっていきますので、巾継ぎなしのカーテンは作れます。その分、短い丈のカーテンを作る場合はかなりロスがでます。


巾使い2


 


 


 


 


 


 


 


 


 


当店ではお客様に説明するために巾継ぎした縫製サンプルを用意しています。


CIMG2070


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


上の写真の右側が巾継ぎをしたレースで左側は巾を継いでいないレースです。


CIMG2071CIMG2073


 


 


 


 


 


上の写真の左は巾継ぎしたレースを前からみたところで、右の写真はうしろからみたところです。


次に巾継ぎの位置ですが、これはカーテン屋としてあまり触れたくない問題です。


今までちょっとだけ書いてきましたので、まずは過去のブログをお読みください。


2005年6月29日のブログ「フィスバの縫製」


2008年1月24日のブログ「川島織物セルコンのフィーロ縫製について④ハギ合わせ(巾継ぎ)の美しさ」


2009年4月2日のブログ「メーカー縫製」


フィスバや川島織物セルコンのフィーロ縫製のように、巾継ぎ位置をヒダ山のふもとに持ってくるのがベストだと思っていますが、実際のところ、時間と費用の問題でなかなかそのようにできません。


フィスバの縫製代は1500円/㎡です。川島織物セルコンの縫製代は1900円/㎡(形状記憶加工代含む)


巾200×丈200センチの2倍使いのオーダーカーテンを作るには生地要尺で約10㎡必要で、フィスバの縫製代だけで15000円かかります。川島織物セルコンのフィーロ縫製にいたっては2.3倍使いですので、形状記憶加工代は含んでいますが、縫製代だけで20000円以上かかります。


通常の我々の縫製代の2.5倍~3倍の価格になっています。


フィスバの縫製は無理やりヒダ山のふもとに持ってきていますので、ヒダのウエーブは歪な形になっていますので、形状記憶や簡易型形態安定加工はかけられません。


川島織物セルコンのフィーロ縫製は専門店では総スカンで、巾継ぎの位置にこだわらないで2倍使いにして、形状記憶加工をするのが一般的になってきています。そうすることによってすごく安くなりお客様にとってもメリットになるのです。


結局のところ、縫製代に見合う縫製ではなかったということになるのでしょうか。


巾継ぎの位置をすべてヒダ山のふもとにもってくるのは、ひじょうに難しいことなのです。


巾継ぎ位置はいろんなところにきます。何卒ご理解ください。


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カーテンと窓周りに関するご質問はこちらへ→





 


 織物研究会  私はチーム・マイナス6%です


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