ダブルシェードドラム式のトーソーとタチカワの違い

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昨年、タチカワがだしたプレーンシェードのダブルタイプのドラム式(タチカワではフラットスタイルダブルタイプチェーン式という)がひじょうに評判がよく人気があります。


カーテン屋のブログを読んでいても、皆さんが評価しています。私も昨年の12月28日のブログ「タチカワのローマンシェードチェーン式ダブルタイプを検証する」では、大きなサイズの時は不安があると書いていますが、なかなかいいなと思ってその後も小さいサイズで使っています。


この度、当店のシェードの加工所でも、タチカワのダブルタイプのシェードの部材を在庫してくれることになりまして本格的に販売していくことになりました。


そこで、この分野において圧倒的シェアのあるトーソーのもの(トーソーではプレーンシェードツインドラム式という)と比較検討してみました。


タチカワのフラットスタイルダブルタイプチェーン式(カーテン夢工房大阪店展示サンプルの写真で幅55センチ丈60センチのミニチュア版です。メカの色はダークブラウン)


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トーソーのプレーンシェードツインドラム式(こちらも店内展示サンプルでメカはトーソーですが縫製は当店です。(下の写真)


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ダブルシェード比較


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


上の比較表で大きな間違いをしていました。左欄に昇降コードと書いているのは操作チェーンの間違いです。同じく昇降コードの色は操作チェーンの色の間違いです。お詫びします。


トーソーとタチカワの大きな違いは操作チェーンが2本か1本かです。

製作サイズはトーソーが幅40センチからで最大4mまでできます。タチカワは45センチからで最大は2m90センチまでです。


価格はマイメードという形でメーカーに縫製メカ込でお願いした場合(生地代は除く)の定価で幅180センチ丈200センチで、トーソー54800円、タチカワ55000円でほとんどかわりません。
この価格は、ドラム式のシングルタイプを同じサイズで2台注文するのに対して、トーソーで4000円、タチカワで3000円安くなる程度で、5~7%安いだけで価格メリットはあまりありません。


正面付けした場合の壁からの出幅はトーソーが4.5センチにたいして、タチカワは8センチになります。


前幕と後幕との差はトーソーが両端0.5センチにたいして、タチカワは操作側だけ2センチあきます。


メーカー縫製の場合は、リング付きテープの縫い方は、両社とも着脱タイプの20センチ間隔のリング付きテープを使っており、トーソーは下から縫って、タチカワは上から縫っています。


これに関してタチカワのサンプルで写真説明しますと、


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CIMG1160左上の写真をご覧ください。
リングテープを上を基準にして縫い付けていますから、下のリングのピッチが違います。こういう縫い方をしますと上げた時が均等なきれいなウエーブになります。


右上の写真ははずして机において裏からみたところです。操作側だけ2センチ前と後ろの生地に差がでてます。また、リングテープの位置が操作側だけ前幕と後幕で2センチずれます。


 


トーソーのメーカー縫製の写真はありません。トーソーはリング付きテープを下から縫っていますので、同じやり方の川島織物セルコンの写真(下)をみてください。


CIMG1021


上げた時に一番上のウエーブだけ小さくなります。


縫い方は、トーソー、タチカワが1本針に対して、川島織物セルコンは2本針です。


当店は1本針でリングピッチは均等割り付け です。


 


 


 


トーソーツインドラム式の長所短所


長所は文字通り長いところで、最大幅4mまで製作可能となっているように大きい窓、と言っても1間の掃き出し窓(幅180センチ丈200センチ)ならばタチカワよりもトーソーです。操作チェーンが2つになっている分、ギアも2つあり耐久力はあると思います。前幕と後幕との差があまりないのもいいです。

壁に正面付けした場合、壁からは4.5センチしか飛び出さないのはスマートでいいのですが、逆に後幕が狭くなり、きれいに上がりません。後幕がレースの場合はあまりあげることがなくていいのかもしれませんが、最近はレースが部屋側(前幕)でドレープ(厚手カーテン)が後ろというつけ方が多く、その場合はむしろ短所でトーソーメカはおすすめしません。


短所は操作チェーンが2本あることです。チェーン同士がよく絡まります。見た目も1本の方がすっきりしています。


タチカワフラットスタイルダブルタイプチェーン式の長所短所


長所は操作チェーンが1本ですっきりしているところです。これがなかなか優れもので、前のチェーンを少しひっぱると前幕が降りてきて、ぐいぐいとひっぱるとあがります。後幕はチェーンの後ろ側を同じようにすればいいです。


タチカワのメーカー縫製ではリングテープを上から縫っており、これも見た目がきれいですから評価できます。


壁正面付けの場合は壁から8センチ前にでます。これはトーソーに比べて出すぎだと思う人もいると思います。私が見る限り、これはそんなに問題ではなく、後幕をきれいにあげるにはこのぐらいは必要かと思っています。

短所はチェーンが1本でギアも1つです。そのギアにかかkる負担は2倍で消耗が激しいのです。
メーカーでは幅2.9mまで製作可能となっていますが、私が年末取り付けてみたところによると、1間の掃き出しではチェーンが滑る傾向があり、あまりおすすめできません。



前幕と後幕との生地の差が2センチというのはあまりよくないです。枠内付の時は隙間が操作側だけ2.5センチぐらいできることになります。この部分にチェーンがきて、実際とりつけた現場を見た限りではそんなに気にはなりませんでした。むしろ、リングの位置が前幕も後幕も両端から7センチで一緒のため、操作側だけ前幕と後幕のリング付きテープの位置がずれている方が気になりました。


 


私の結論

当店では、大きい窓はトーソーのメカ、小さい窓はタチカワのメカを使っていきたいと思います。

これを社内で説明をしたら、大きい窓と小さい窓があった場合はどちらを使うのですかといいうのです。


大きい窓は、ダブルシェードはやめとこ。カーテンにしようよ。(前日の施工写真)


 


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 織物研究会  私はチーム・マイナス6%です


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コメント

  1. kato より:

    ご無沙汰してます。いつも楽しくブログ拝見させていただいています。教えていただきたいのですが、1本針で均等割付のシェードを縫うと、リングが生地の表面を押して、生地の表面にリングのふくらみがでませんか?何年か前に、ジャパンテックスで伊藤さんがやっていた時から気になってはいたのですが、その時は、これは手がかかって大変だなぁ、と思いました。ガウディの作品をみてから、面倒くさい、
    手の掛かる事をやってこそプロだと意識を変えて、小嶋さんのブログを読み、ここのところ色々と模索しています。

  2. katoさん、ご無沙汰してます。
    私もいつもシーズナブルウインドウさんのブログを読ませていただいています。いい仕事をされているので感心してます。
    ご指摘の通り、リングのすくらみが生地の表面に少しでます。これを私も今の課題となっています。

    いろいろと気づくことがあれば、ご指摘ください。

  3. kato より:

    コメントありがとうございます。当社のブログを読んでいただいて、ありがとうございます。2本針で縫うと、テープと生地に少し余裕ができて、ふくらみも緩和されるのですが、表面にミシン目が2本でてしまい、・・・検討中です。
    良いリングテープでもでれば、またコメントいれます。

  4. katoさん、ありがとうございます。
    以前は私どもも2本針をつかっていました。やはり表面に2本ミシン目がでるのが美しくないと思ってやめました。いいリングテープがあれば教えてください。

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