川島織物セルコンのフィーロ縫製について⑤ タッセルについて

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以前、川島織物セルコンのフィーロ縫製について書いていましたが、2008年1月24日が最後になっていました。3名の方から続きを書かないのですかという問い合わせをいただいていて、久しぶりに書いてみます。


私は、川島織物セルコンのフィーロ縫製のこだわりを評価をしていますが、そのこだわりが他の業者に理解されず、川島織物セルコンも柔軟に対応して今やフィーロを使った生地でも半分は今までと同じレギュラー縫製になっているとのことです。


結局は、その価格に見合う縫製ではなかったということなんでしょうか。今、ここで説明するのも色褪せた感じですが、過去のブログをまずお読みください。


川島織物セルコンのフィーロ縫製について①


川島織物セルコンのフィーロ縫製について② 形態安定加工「ファインウエーブ」について


川島織物セルコンのフィーロ縫製について③ 2.3倍使いについて


川島織物セルコンのフィーロ縫製について④ ハギ合わせ(巾継ぎ)の美しさ


今回はタッセルについて説明します。

フィーロ縫製ではタッセルにもひじょうにこだわっています。 
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左がフィーロ縫製のタッセル


右が川島織物セルコンレギュラー縫製のタッセル


 


違いがわかるでしょうか?


71左の写真はフィーロ縫製で、ふさかけに引っ掛けるところは、共生地でつくられていて、この部分は丸くなるように中に綿が入っているんです。すばらしいこだわりなんです。
タッセル自体の巾も大きくなっています。


 


 


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こちらは川島織物セルコンのレギュラー縫製で、ふさかけに引っ掛けるところは江戸打ち紐を使っています。どんな高い生地でも既製カーテンと同じ江戸打ち紐です。色も多色展開ではなく、あまりこだわりはありません。 
タッセル自体の巾も細く安っぽい感じです。


 


 


こうして比較をしてみると、フィーロ縫製のこだわりはすごいのです。しかし、川島織物セルコンの縫製ではタッセルの上部はまっすぐで袋状にして折り返しています。この仕様でいくと裏側と表側の柄が同じ位置に来るのです。


共布タッセルには右用、左用があります。
柄はタッセルの中心に持ってくるのではなく、正面(部屋側)からみてきれいに見えるようにもってこなければなりません。川島織物セルコンのタッセルの縫製仕様でいくとこのようにつくることができないのです。


    


上部は袋縫いではないので、裏側と表側はひっくり返してもストライプの柄は中心より少し左にずれたところにきます。(左用タッセル)


     


     


     


     


     


     ↓ 左用のタッセルはどのようにひっかけてもストライプの柄は部屋からみたら正面にみえるようになります。


       


    


上の写真は当店の縫製による左用の共布タッセルです。ストライプの柄は中心ではなく、少し左にずらしています。裏側も同じように左にずれてます。そうすると輪にしたときに部屋側から正面にみえるのです。タッセル自体も弓のようにカーブしています。こうした方がカーテンを束ねるときにきれいになるのです。


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 ↑上の写真は左用の共布タッセルを右側につけた場合です。正面からみると(写真左)ストライプの柄がみえません。真ん中の写真は右側から撮ってます。右の写真は左側から撮ってます。


↓下の写真は当店の弓型タッセル。弓のようにカーブしていますのでカーテンに密着するようになります。


   


   


  ↑ この上の写真は川島織物セルコンのフィーロ縫製のタッセルです。


           


上の写真で一番上が川島織物セルコンのレギュラー縫製、真ん中がフィーロ縫製、一番下が当店の弓型タッセル


フィーロ縫製は随所にこだわりをもっていてすばらしいと思っています。でも、このタッセルはもう一歩工夫が必要ではないでしょうか?


これぞまさしく


画竜点睛を欠く


It lacks the finishing touches.


川島織物セルコンフィーロ縫製


と いえよう。


 


この弓型になっているタッセルはメーカーでは五洋インテックスがレギュラー仕様として弓型タッセルという名前にしており、サンゲツはロマネ仕様の縫製でブーメランタッセルという名前で出しています。


五洋インテックスは1本1000円、サンゲツは1本800円プラス0.2mの生地代、当店は500円です。


でも、カーテン業界にはジンクスがありまして、弓型(ブーメラン)にタッセルにするとカーテンの売り上げもブーメランのように落ちると言われています。五洋インテックスは最も売り上げのあったときから比較すると3分の1になっており、サンゲツは2分の1になってます。まだ、下げ止まらずの感はありますが、もうすぐ、底にタッセルでしょう。


カーテンの売り上げもタッセル同様、ブーメランのような弧を描くのです。余談ですが、かつてはこの世を風靡したヒルズ族(六本木ヒルズに事務所を構える会社)も、ホリエモンや村上ファンドのような凋落ぶりです。これもヒル(丘)だから、頂上があれば必ず下りがあるのです。
当店も悩むところです。


おまけ


私は、フィーロの商品が好きでこよなく愛していますが、この秋に行われました川島織物セルコンのフィーロマスターの試験に書類選考で落とされまして受講できませんでした。フィーロマスターというのは,川島織物セルコンが2~4日講習会を実施して、フィーロの知識のある店(人)に与えられる称号です。カーテン専門店のブログには、ほとんどが川島織物セルコンからフィーロマスターに選ばれた専門店ですと賞状の写真が載っています。


まだまだ勉強不足ですが、カーテンを愛する気持ち、フィーロを愛する気持ちは誰にも負けないつもりでいます。もっと勉強して川島織物セルコンの社員に負けないようにがんばりますので、来年こそフィーロマスターの称号をいただけますようお願いします。


 


 


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 織物研究会  私はチーム・マイナス6%です


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