カーテンクリーニング 裏地付きカーテン

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裏地付きカーテンのクリーニングについて書きます。

私共では裏地付きカーテンのクリーニングの依頼がひじょうに多いのです。
高級カーテンを使っておられる方などで、街のクリーニング屋さんに頼むのは不安とか、 重たいから自分で取り外しが面倒とかの理由だと思います。
こちらにとりましては、取り付け取り外しにかかる経費は同じでも、売り上げは1.5倍になりますのでいいのですが、やっかいなのは素材の問題なんです。

裏地を付ける場合は①遮光性のアップ②保温性のアップ③表生地の保護④ドレープ性のアップ⑤高級感 等があります。


表地がポリエステル、裏地もポリエステルの場合はまったく問題なく水洗いができます。
水洗いで困るのは、表地がベルベット、綿100%に裏地がポリエステルの時なんです。

当店の場合は、自らクリーニング引取りに伺って水からクリーニングする水洗いクリーニングをしています。
シルクやベルベット等の水洗いすると問題が生じるものはお客様の方に街のクリーニング屋さんでドライクリーニングをしてもらうようにお願いしていますが、一般的にドライクリーニング表示になっているレーヨン、綿の商品は水洗いしています。


ドライクリーニングではなかなかきれいにならないのです。水洗いのほうがはるかにきれいになるのですが、縮むという問題があります。そこは専門店としてのノウハウがあります。

厄介なのは、ローラアシュレイの縫製されたカーテンで、表地が綿100%で、生地を 傷めますのでほとんどが裏地付きになっていて、裏地はポリエステルを使われています。

10年程前にローラアシュレイの生地で縫製することがありまして、吊っているだけでも

縮むことがわかっているので、縫製する前に1リピート多くして裁ち切ってクリーニング屋さんに出して水洗いしてもらいました。そうしたところ、257センチの丈で.14.5センチ縮みました。
それから縫製しましたので、その後水洗いしても大きく縮むことはありません。
水洗いでは5~6%縮みます。ドライクリーニングでも少し縮みます。

裏地がついていなければ当店で水洗いクリーニングをしますが、裏地がポリエステルならば寸法変化率(収縮率)が違いまして、表地と裏地の縫い目のところがボコボコになるんです。

そのことがわかっていたので、ローラアシュレイの裏地付きのドレープはクリーニング屋さんでドライクリーニングしてもらうようにお願いして、レースのクリーニングだけ承りました。
レースを取り付けに行った時はドレープは出来上がっていまして、さりげなくチェックをすると表地は少し縮んでいて、裏地との境目は波が打っていました。
でも、縫製が無双縫製(注1)できれいにされていたので、室内側からみるとまったく気になるレベルではありません。
クリーニング屋さんがやれば、こんなものですむのですが、カーテン屋がクリーニングをうけるとこの程度でもクレームがつくケースがあるんです。

カーテンクリーニングはけっこう難しいのです。


次はウエイトロックのレースのクリーニングについてです。


注1)無双縫製とは
   裏地付きの縫製で、表地と裏地を袋縫いにしてひっくり返します。耳の部分に縫い目が
こないきれいな縫製です。


カーテンクリーニングのことはこちらにも書いています。
 織物研究会

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