安くしたら売れるのか
安くしないと売れないのか
昨年の12月9日のブログで牛丼業界のデフレ戦争のことを書き、「値下げしたら売れるかもしれないですが、以前の利益を確保できるぐらい売上がアップするとは思えないのです。」といったのですがその結果がでました。
2月11日付けのYahooニュースによれば
昨年12月7日に、牛丼並の定価を50円安の280円にしたゼンショー傘下の「すき家」が10日発表した1月の既存店売上高は前年同月比2.2%減少。昨年12月3日に60円下げて定価を320円とした「松屋」の既存店売上高も4.4%減と前年実績を下回っている。値下げによる客単価の下落分を、客数増でカバーしきれなかったためだ。
すき家の既存店の客数は12.6%増、松屋は4.5%増とプラスになったが、客単価がすき家で13.1%減、松屋で8.5%減と落ち込んだ。
また、1月11日から牛丼並価格を11日間の限定で80円値引きするキャンペーンを展開した「吉野家」の既存店売上高は前年同月比13.1%減となり11カ月連続で前年実績を割り込んだ。
思った通りの結果です。というか思ったより悪い結果です。
結局、値下げしてお客様が増えても、客単価が下がれば売り上げが落ち、利益がさらに落ちるのです。
一番最初にやったところは1~2カ月は効果があっても、他社も同じことをすると成果が出なくて利益が落ちます。
だからといって、また値上げするというわけにはいかず、その前に音をあげてしまうようなことになります。
12月に値下げしなかった吉野家の動きはどうなるのかと思っていたところ、牛丼屋だけに苦肉の策で、先月11日間だけ80円値下げしたようですが、結果は期間中は客数が2割増えましたが、キャンペーン期間前の“食い控え”と、期間後の“食い飽き”という副作用を伴ない、13.1%の売り上げ減です。
この牛丼業界のデフレ戦争は、「売り上げが悪いと値下げするしか策がない」と考える経営者が多いこの業界に教訓となるのです。
この業界の経営者は、お昼に安いからといって牛丼を食べて走りまくっている場合ではなく、1月の売り上げが前年対比21%増を記録した「餃子の王将」か、1月17日に1日の売り上げとしては過去最高の28億1180万円を記録したマクドナルドを食べて、その好調の原因を考えるべきなのです。
安売りに走ったら他社も同じことをして結局安くなくなるし、品質(味)に自信があるからといって価格をそのままにしていると2割違うと客離れします。
好調なのは社員のモチベーションの高さと、価格を下げずに付加価値をつけ、次々に新しい企画をうちたてていくことでしょうか。
さて、本題です。
インテリア業界のここ10年で一番のヒット商品はミラーカーテンではないでしょうか?
エンドユーザーにもミラーカーテンという言葉は浸透しているように思います。
このミラーカーテンも、ミラーレースといったり、ハーフミラーといったり、プライバシーミラーカーテンといったりいろんな言い方をされています。
インテリア業界の悪いところで各社好き勝手に名前をつけていろんな商品を呼ぶものですから、新しい商品はなかなかエンドユーザーに浸透しないのですが、この商品に限って各社「ミラー」という言葉をつけているために浸透したのかもしれません。
インターネットで調べると、このミラーカーテンもいろんな説明があり、昼も夜も見えないレースと書いているのもあります。
私の解釈では、裏側にブライト糸という光沢のある糸を使っているレースで、それによって光を反射し、それをミラー効果といい、紫外線を通常のものより10~15%多くカットします。(通常のレースでも紫外線カット率は50~60%ぐらいはあります。)
そのため、ミラーカーテンは昼間は外から室内はみえにくくなります。
この外から見えにくいというのと紫外線をカットするというのが、エンドユーザーに琴線に触れるらしく、みなさんがミラーレース、ミラーレースとおっしゃいます。
確かにこれは事実です。
販売する方も、このことをいえば売りやすいためミラーレースを勧めるようです。
しかし、デメリットもあります。
1)外からも見えにくいですが、室内側からも外がみえにくいのです。
2)外からみるとテカテカ光っています。
3)生地がかたくてヒダがきれいにれません。
(これは形態安定加工をすれば問題はありません。)
4)夜、室内の明かりをつけると外からはよくみえます。
(昼も夜も外からみえないというレースもありますが、これは一般的な
ミラーレースと区別して、帝人ファイバーの商品名をとって
ウエーブロンといったり、これと類似した商品があります。)
私は、室内からも外がみえにくいというのが好きでなくあまりおすすめではないのです。
今日打ち合わせをしましたお客さまも、ミラーレースにするか普通のレースにするか悩まれていました。
現物サンプルを持って現場で確認しました。
上左の写真は室内側から外を見た写真です。左半分が普通のレースで、右半分がミラーレースの縫製サンプルです。このミラーレースは当店オリジナルのリーズナブル商品で比較的中からは見える方です。
でも、やはり普通のレースに比べれば室内が暗く感じます。
右の写真は、外からみたところです。右側が普通のレースです。ガラスに反射して中は見えにくいです。
普通のレースでも、窓に近づいて見ない限り、前の道路から見るにおいては昼間は中は見えません。
左側はミラーレースで外からは中はみえません。
私は、普通のレースでも昼間は外からは中はあまり見えないし、ミラーレースにする必要性は感じていません。むしろ、室内から外が見えにくいミラーレースのデメリットが大きいのです。
これは、私の考えです。
今まで、ミラーレースがよく売れてきたのも事実です。
こういう考えもあるということで参考にしていただければと思います。
ミラーレースの購入をお考えの方は、必ず事前に大きい目の縫製サンプルを吊って現場で透け具合を確認されることをおすすめします。
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