最近、遮音(防音)カーテンに関して問合せがよくあります。カーテンで遮音をしたいのだけど、どの程度の効果があるのかということです。
私は、カーテンで遮音することは無理だと思っているのですが、東リ、サンゲツ、リリカラなんかは遮音カーテンという商品をだしているので、実際はどうなのかを実験しました。
実験装置は古いたんすににレールをつけて、その中に携帯電話を入れて着信音を鳴らして、カーテンを吊るしたときの音を騒音計で調べました。
用意したのは東リの遮音カーテンKTA5559を2倍使いで巾80×丈130㎝で縫製したもの、当店の3重カーテン「ウォームビズカーテン」と普通のカーテンです。
まず、カーテンを吊るさなかった状態で、携帯の着信音(一番大きい音に設定しました。)は80デシベルでした。
普通の2倍使いのカーテンを吊ると77~78デシベルでした。 透過損失2~3デシベル
東リの遮音カーテンは76デシベルでした。 透過損失4デシベル
当店の3重カーテン「ウォームビズカーテン」 69デシベルでした。 透過損失11デシベル
この結果、遮音カーテンも普通にカーテンとして吊るした場合、さほどの効果がないことが言えると思います。それは、カーテンとして仕立てた場合は壁との隙間がいっぱいできるためです。
それに対して、「ウォームビズカーテン」は3重構造になっていますので、空気層ができて音が伝わりにくくなり、少し効果があります。実験の時の体感として、明らかに音が小さくなったことはわかりましたが、音はやはり聞こえますので、過度の期待は禁物です。私が普通にしゃべって65~70デシベルです。下の写真のような状況の電車音で80デシベルです。
このため、カーテンで遮音効果を求めるのはむずかしいと思います。
メーカーのカーテンの見本帳で遮音カーテンをみると、右上がりのグラフがあってかなり効果があるように書かれています。その実験はカーテンで密閉した状態での資料です。
実際、カーテンとして使う状況の中で、密閉できることはあり得ないにもかかわらず、そうした資料を載せて消費者を混乱させるようなことをするのはいかがなものかなと思いますが、密閉に近い状況でも実験をしてみました。
素人の実験で完璧ではありませんが、東リの遮音カーテンでたんすを被いかぶせてやってみると64デシベルになりました。透過損失16デシベルで、密封するとメーカーがいうようにそれなりの効果があります。
しかし、カーテンを普通に吊ったら密封はできません。
3重カーテンの「ウォームビズカーテン」で密封した場合は66デシベルで、普通に吊った場合は、遮音カーテンより効果があったのですが、密封すると遮音カーテンより劣ることがわかりました。
私が考える遮音カーテンで、少し効果を上げる方法としましては、シャープシェードを遮音カーテンでつくって、枠に本体のツラをあわせるように内付けして、上部は耳たてして、両端は大きく作り、裾も長くつくります。そうすることによって窓を遮音カーテンで被いかぶせるようにつけることができます。
シャープシェードもフジエテキスタイルでいうバックタックシェードのスタイルがベストです。
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