前回は簡易型の形態安定加工について書きました。私の定義としては縫製後に簡易にポリエステルの熱可塑性を利用して形態を安定させるやり方です。これも乾式、湿乾式とメーカーによって違いがあるのですが、詳しくは割愛します。
形状記憶もすでに述べたようにメーカーによって形態安定加工といったりもしますが、ここでは真空釜を使うのを形状記憶とさせていただきます。これも、縫製する前に真空釜に入れる場合と縫製後に入れる場合があります。ほとんどのメーカーは縫製前にする方法ですが、川島織物セルコンは縫製後です。
川島織物セルコンでも、旧セルコンのサンプル(アップルシートエスト。ヌーボーテ)の品番で注文すると、今でも旧セルコンのラインで、縫製する前に加工していますが、ここではフィーロの縫製で使われているファインウェーブ(旧名ナチュラルウェービー)を川島織物セルコンの加工と位置づけし、川島織物セルコンは縫製後に加工するということで述べていきます。
まず、一般的によく使われている縫製する前に真空釜で加工する方法(A)と川島織物セルコンのように縫製後に真空釜で加工するやり方(B)の違いはなにかについて述べます。
Aの場合(一般的に多い)
これはトタン板みたいな型紙を使用しますので、私はトタン板方式と呼んでいます。
この場合、縫製する前と言っていますが、裾と巾継ぎと耳は先に縫っていまして、上部の芯地付けがあとです。熱で加工した後に丈を決めますのでその後に縮むことはなく寸法は正確です。問題点は型紙を使用しますのでヒダ山柄合わせがうまく出来ないことがあります。一般的に横リピート25㎝の商品ならばヒダ山とウェーブがぴったりあってきれいにいくのですが、それが24.5㎝とかで微妙に違うと山と柄が合わなくなります。
Bの場合(川島織物セルコン《旧川島織物》)
これは縫製後に吊った状態で真空釜に入れてパイプをあててやる方式で私はパイプ方式と呼んでいます。
私は実際にみたことがありませんので、詳しく説明できませんが良い点は縫製を先にしますので微妙なリピートの違いがあっても、ヒダ山柄合わせがきれいにできます。これはトタン板方式の逆です。問題点はメーカーに依頼したアンケートによりますと、縫製後の加工なので伸縮した場合はアジャスターで調節して出荷する事になると書かれていました。
いわゆる縮むということでしょうか?
また、丈が252㎝までしかできないということがあります。以前、インターネットで注文したら、そこは川島織物にメーカー縫製をしていて252㎝までしかできないといわれ、当店に依頼があったケースがありました。当店は丈280㎝まで対応しています。生々しい話はこちらのNo76の投稿をお読みください。(オレンジの文字をクリックすると読めます)
しかし、さすがカワシマで昨年4月にセルコンと合併しまして、その後は丈の長いのは旧セルコンのトタン板方式を使うことになり、今は丈260㎝まで対応していますが、これに1㎝でも長いと無理とのことです。
今朝、実測してきました積水ハウスのビエナというシリーズが天井高260㎝で、埋め込みカーテンボックスでボックスから床まで2655ミリありました。縫製サイズとしてはカン下丈261㎝にしたいところですが、こういう場合もアジャスターで調節して出荷ということになるのでしょうか。
当店はトタン板方式です。
このようなトタン板みたいな型紙があります。このウェーブのピッチが一般的に25㎝になっています。アスワンは三宅一生が使っている加工所でこの型紙のピッチを何種類も持っているとのことです。私共は1.5倍の1つ山用とレース用との3種類です。
この上に裾、耳、巾継ぎをした生地を乗せてます。それを重ね合わせて真空釜に入れます。
それから、芯地をとりつけるときれいなウェーブのカーテンが出来上がります
上の写真の左が形状記憶加工をしてすくい縫いをしたものです。右は何もしないで本縫いしたものです。
この形状記憶加工をしたものを納品すると、ほとんどの奥様が「まぁ、きれい」とおっしゃっていただけます。
他のカーテン屋のブログを読んでいたら、奥様が「まぁ、きれい」とおっしゃられたら、
「奥様ほどじゃないですよ」というらしいのです。
そういうと99.9%の奥様は否定されないとのことです。
私なんか、カーテン大好き人間ですから、思わず、
「奥さんよりきれいでしょ」といってしまいそうです。ちゃうちゃうちゃう
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