各メーカー展示会の感想

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トーソーの大阪の展示会に行ってきました。

今までトーソーの展示会というのはつまらなかったのですが、昨秋のジャパンテックスからやけに気合がはいっていまして今年の展示会もなかなかやる気を感じました。

秋のジャパンテックスで目玉展示する予定のファブリックやレザーを使ったヨコ型ブラインドやサンストリップと同じ遮光調整ロールスクリーンも参考出品として展示していました。

会場内は写真撮影もお断りでした。

今回の展示は6月1日に発売になったカーテンレールの商品がメインで、2月に発売になったドラム式のシェードのメカ「クリエティ」もアピール商品となっていました。

本業であり、ダントツでシェアの高いカーテンレールですが、ここ2~3年は企画においてヨコタに遅れをとっていましたが、今回やっと追いついて、ちょっとリードしたかなという感じです。
カーテンのアクセサリー商品も充実してきました。

しかしながら、ここ最近でてくる商品はかなり定価設定が高くなってきてトーソーが利益をとる体質づくりが着々と進んでいるようです。

今回、発売のコルティナというレールもいいけど1間のダブルで43000円はちょっと高いです。
グレイス16のリングランナーも今までは1袋6個入りで1000円だったのを5個入りにして1000円にしたりしてさりげなくわからないように値上げしたりしてます。

ふさかけもよく売れている木製のファレスタAに対してもう少し儲かる商品として、
ビス1本で取り付けられるワンビスタイプの同じような木製ふさかけを出して定価を高くしています。

シェードのドラム式メカ「クリエティ」もかなりいいですが、従来のニュージェスパに対して大きく値上げしています。
ドラム式ツインのメカは本来ツイン(ダブル)にすることによって価格メリットが出てくるはずなんですが、従来のニュージェスパを2台別々につけるのと同じ価格になっています。

商品的には、かなりよくなってきていますが、それをいかにしてエンドユーザーに
伝えていくかということが、インテリア業界の課題でもあります。

川島織物セルコンの展示会に行った時の話

17日に大阪会場の川島織物セルコンの展示会に行って来ました。
やはり商品企画力は業界ピカイチでいいものがありました。
継続品は6%値上げしており、また、ソフトウエーブを標準仕様にすることによって、縫製加工代を200円/㎡アップしているため、高くなったなという感はありました。

会場での説明者は自分のトークに酔っていて、社内での説明でのノリで早口で
よくわかりませんでした。
「自慢の遮光カーテン」という言葉が何度もでてきて、「ジマンの遮光カーテン」という新しい商品が
できたのかと思うぐらいでした。まぁ~きのきいた名前ではないですね。
セルコンのDNAだなという感じがしました。

会場で商品企画部長に会いましたので2点お願いをしておきました。
1つは今や形状記憶(形態安定加工)が 大流行の中、メーカー縫製では洗濯絵表示ラベルをアイロン不可に替えたものをつけているのですが、そういった加工をしている旨はカーテンには一切書いていません。

それではリフォームするときに、それを知らずに縫製直しをするといびつな形になり、 大きな問題になるのでその表示をしてほしいということ。

もう一つは、今やブランドメーカーにとって敵となっている低価格均一ショップ
(いわゆる1万円ショップと言われる店)に対する対策として、
もっと防炎カーテンの必要性を消費者に向けて業界上げてアピールしてほしい旨を
お願いしました。
31m以上の高層マンション(11階建て)ではたとえ1階でも防炎カーテンを
使わなければならないという消防法の規定があります。

そういうことを、あまり国民には知らないのですが、損保業界にアプローチをして、
火災保険の契約の時の条件として、チェック項目として設けて、防炎カーテンをつけていれば、契約の率が下がるようにするようにしてほしい旨を伝えました。

そうなれば、マンション入居時に防炎カーテンへの意識がたかまりますし、
そこらの商品は価格的に低価格均一ショップには厳しい面があり、ブランドメーカーの得意とするところなんでブランドメーカーにとっては大いにメリットがあるはずなんです。

ニチベイの展示会に行った時の話

ニチベイの大阪の展示会に行ってきました。

新しい商品としては木製ブラインド、B-fifty、パンチィングしたレースブラインドに デザイナーズブランドのロールスクリーンといったところでしょうか。
木製ブラインドやB-fiftyの新商品は4月2日発売で,すでによく知っていて新鮮味は
ありませんでしたが、商品は確かにすばらしいものです。

ニチベイも既存の商品以外になにか新しいものを模索しているようですが、
なかなかうまくいかないようです。

昨年のジャパンテックスでは、イスラエル製のオルゴンのサンストリップを熱心にみていたようなので、今年末ぐらいには新商品としてでるかもしれません。

ニチベイの展示会では数年前から、ニチベイの名前の入ったせんべいがいつも置かれるようになり、そのときは新しい商品として「にちべいせんべい」をだすのかと思ったぐらいです。
どうしてニチベイは自社ブランドのせんべいを出しているかご存じの方がおられましたら教えてください。

展示会の方は、当社担当者が接客中だったので、先輩の課長が説明案内をしてくれたのですが、自社の展示会であるにもかかわらず、あまりにも商品知識のなさにイライラしました。

なにひとつまともに答えることができず、営業課長ってどんな営業をしているのかと思いました。
例えば、耐水性の木製ブラインドはナニックのそれと比較して価格はどうなのかと聞いても「まったくわかりません」というのです。
なにをPRするのといいたくなるぐらいです。会社としても、社員教育をしっかりして、もっとユーザーに商品を伝えるようにしてほしいものです。

インテリアの業界の営業員はほんとに他社商品はおろか、自社商品もよく勉強していない人が多過ぎます。

アスワンの展示会へ行った時の話

大阪で行なわれたアスワンの展示会に行ってきました。
カーテンの新見本帳「セ・ラ・ヴィ」と「YESカーペット」が目玉でしょうか。

「セ・ラ・ヴィ」は今まで量販向けにあったものを今回、専門店でも使えるようにした見本帳です。
私に言わせるとコンセプトが中途半端で特長のない見本帳です。

アスワンは消費者にはあまり知名度のないブランドで、どちらかというとカーテンよりカーペットのイメージが強いかもしれませんが、絶対的なアスワンファンの昔ながらの専門店を持っています。

アスワンを使っているお店ではアスワンの比率が高いのです。
以前は、100cm巾のちょっと泥臭いのですがしっかりした生地の商品が多く、
田舎の大きい家に似合うカーテンだったのです。
それが、この前の総合見本帳の「オーセンス」であまりにもモダンを主としたため、
従来のアスワンファンのお客様からソッポをむかれ、大きく売り上げを落としました。

それ以前に、社長の肝いりで作った「センセーション」が、マーケティングリサーチを誤り、1.5倍使いですべてすくい縫いの高級縫製を標準仕様にしてずっこけてます。

今の総合見本帳「オーセンス」は、その前の失敗を糧にモダンを主に従来のアスワンファンの生地もバランスよく入れて、いい見本帳になっています。
今回発売になる「セ・ラ・ヴィ」はそのサブブックという位置づけなんですが、何ひとつ特長のない見本帳です。

アスワンのすごいところは、アスワン独特のカラーというのがあり、ここ20年間色使いがブレていないのです。
私の感性でいうと、ちょっと古くて泥臭くて悪くいえば既製カーテンの色みたいなんです。

この色使いが首尾一貫しています。おそらく企画のトップがずっとかわっていないからでしょう。
この色使いが、今の世の中の若い女性が好むものから少しずれているように思います。

ならば、この新見本帳「セ・ラ・ヴィ」を2007年問題対応型の見本帳と位置づけすれば、その需要にに向けてぴたりとはまるかもしれません。
アスワンが得意とする裏地の無双縫製をアピールすれば、あまりインテリアのセンスはないけど少しこだわりたいし、少々お金もある今年から始まる大量定年退職者のリフォーム需要にいい見本帳です。

アスワンの展示会に行って感心することは、トップである社長がいつも会場に見えていることです。

すごいなぁ。

でも、いつもお客様と座って熱心にお話をされているのでご挨拶ができないのです。
こういう展示会に行っても、創業者社長の企業、2代目社長の企業、サラリーマン社長の企業とで大きく違いがでてきます。

創業者社長の企業のトップは展示会があっても、会場入口あたりで立ってお客様を
迎えて、皆に平等に挨拶されます。日々できるだけ多くの方と接しようとされます。

2代目社長企業は、会場では親しいお客様とずっと親交を温めながら深え情報交換をされます。

サラリーマン社長の企業は、最初の時だけ挨拶にお見えになり、あおとはよろしくでそのあとはおられません。

五洋インテックスの展示会の話

五洋インテックスのサザンクロスの大阪での新作発表会に行ってきました。

この業界は2年もしくはさらにそれ以上毎に新しい見本帳に更新されていくのですが、 今回のサザンクロスは1年8ヶ月で新見本帳がでます。その背景には五洋インテックスの大幅な売り上げ減とサザンクロスの商品価格が高すぎて市場で敬遠されているのを是正するための対応策なんです。

今のカーテン業界の流れは、ほとんどがポリエステル100%のウォシャブル商品と防炎商品を増やしている中で、素材にこだわり、綿やレーヨンの混じった商品も多く、ファブリックメーカーとしてのこだわりは、売れるかどうかニーズを捉えているかどうかは別にして評価しています。たくさんメーカーがある中でこういう商品も必要なのです。

商品的にはいいのがあるのですが、やはり我々の仕入れ価格から考えて定価の付け方がかなり高いのです。
今回は、世の中原油高で糸値が高騰している中で、継続品は最大15%も値下げしているのですが、それでも高いのです。

いかに今まで会社として利益を取っていたかという事が明らかになったのですが、売り上げが落ちると利益を確保するためにさらに値上げしたり仕入れ掛率を上げたりの悪循環で大幅に売り上げを落としました。
ジャスダックに上場している企業で決算内容は誰もがわかるようになっていますが、見てびっくりしました。

前々年度は20%、前年は10%の売り上げ減で、前期15億の売り上げで3億の赤字になっています。
上場時は40数億の売り上げでした。今期は無配になり、株主の怒りを抑える緩衝材として株主優待制度で自社オリジナルのクッションが送られてきます。
このユーモアなセンスが商品企画にいかされるともっと楽しい見本帳になることでしょう。

五洋インテックスは高級ブランドイメージの「インハウス」があり、サザンクロスのコンセプトはインハウスに手が届かない層をターゲットにしているとのことです。しかし、互いが補完しあっている見本帳ではなく、価格、イメージもダブっていて、もし、新規でお客様と打ち合わせをするようなケースでこの2冊を一緒に持っていくようなことはないと思います。

展示会に行っていても、会社がたいへんな状況にもかかわらず、社員の方に悲壮感は感じられませんでした。
これはちょっとすくいなのかな?
社長も取締役企画部長もお見えではありませんでした。

でも、そんなの関係ねぇ
 ̄V ̄
○∧〃
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でも、そんなの関係ねぇ
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○∧〃
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ハイ、オッパッピー

オーシャンパシフィックピース
太平洋に平和を

五洋にも平和を

ハイ、ゴヨッピー

次回のインハウスは企画担当者がかわりますのでそれに期待しましょう。

大阪は、五洋インテックスとサンゲツのショールームは同じ建物の同じフロアにありますので
サンゲツも覗いてきました。

サンゲツは展示会はしていませんが、先月にロマネモードVol 2を発売しています。
サンゲツもカーテンは厳しく210億あった売り上げが132億まで落としておりまして下げ止まらぬ感があります。

ロマネモードはけっこうおもしろい生地があるのですが、この見本帳のコンセプトがよくわからないのです。
サンゲツの場合は全て企画が先に有りきで、出来た見本帳をみて各支店のトップが販売戦略を考えるのです。
今回のロマネモードは生地に合わせた縫製にこだわっているというのがコンセプトのようなのですが、このような高い生地を扱える専門店は独自にそれなりに縫製へのこだわりをもっていますし、縫製へのこだわりを持っていない専門店や内装業者は、高級生地を扱えないのではと考えるのです。

2倍使いの縫製でも、これは2つ山がよくてこれは3つ山がいいというのがあるのですが、私もよくわからないし、サンゲツ側からも説明が一切ないのです。こういう見本帳こそ、 きちっんと展示会をして商品説明会をすべきだと思うのです。
サンゲツの場合は、取り扱い商品が多く、カーテンも建材の一種としか捉えておらず、 営業員がお客様に商品の説明PRができていません。ならば、商品説明のDVDでもつくってくばればそれなりに効果があると思うのです。

サンゲツカーテンは他社の商品をよく研究しており、各メーカーの売れ筋商品とよく似たものがたくさんあり、日本のカーテンメーカーの総合見本帳という感じですが、見本帳自体がつまらないのです。
見本帳にストーリーがないのです。そのスタイルはずっと変わっておらず、このままの状況では、この後さらに厳しいものがあると思います。

サンゲツは酸欠で、今新しい空気を入れないと息苦しくなってくるのではないでしょうか。

立川ブラインドの展示会の話

立川ブラインドの展示会に行ってきました。

営業のタチカワといわれるだけあって動員力はすごいものがありますが、
この間のトーソーの展示会の方が元気があったように思われます。
今回の展示はプリーツスクリーン ペルレ、縦型ブラインドの木製のラインドレープや 竹すだれ、経木すだれ等がアピール商品でしょうか。

タチカワと言えば、営業力は抜群ですが、企画力・技術力がなく、ほとんどの商品が他社の真似なんです。
今回の商品ではプリーツスクリーンで昇降コードの穴がない「ペルレ サート」とペルレ25で巾2m90㎝までできるようになったのと、巾15cmからできる15ミリ巾の小窓タイプが「業界初」となっています。

本来、一流メーカーならば他社にないものをつくって当たり前で、いちいち「業界初」なんて強調しなくてもいいと思うのですが、タチカワにとっては、これは他社の真似ではないことを余程言いたかったのでしょう。

でも、昇降コードの穴のないプリーツスクリーンはよく似た商品でもっと優れているハンターダグラスのデュエット・シェードで見慣れていますし、デュエット・シェードは巾4m40cmまで1台でできます。
小窓タイプのペルレ15は開けた時のたまりが大きすぎて開口部を狭くしてしまい、あまりいいとは思わないのです。

商品的クレームの多さは業界ダントツであるのはタチカワも認めるところですが、クレーム対応力はすばらしく、日本企業430万社の中でもベスト10にはいると思われるぐらいです。

木製ブラインドで、タチカワの以前のものは降ろした時の最下点でスラットの角度を変えると上にあがるという欠陥商品だったのです。ニチベイだけがボトムレール位置保持機構があり、トーソーも同様だったのですが、トーソーが昨年2月に木製ブラインドをリニューアル発売した時にそれを改良したのです。
そこで、タチカワもあまり公にせず、こそっと部品を改良して最下点でのボトムレールを保持できるようにしたのですが、それがまた欠陥商品で、今度は斜めにあがるという現象が起こりました。
昨年の3月から8月ぐらいまでに出荷された商品は皆そのようになっていまして、
お客様からの連絡でそのような申し立てをしますと有無をいわず、新品と交換してくれます。

これなんか、タチカワを表す最たる出来事で、クレームを起こすことによって企業力をアップしていきます。

もう少し、クレームが少なければいい会社なんだけどなぁ。
掛率の値上げをしなくても、商品企画力を向上させ、クレームを少なくするだけで大幅な利益アップするとおもうのです。

タチカワの展示会場に東リの大阪ショールームがあり、覗いてきました。
大阪はカーテンの新見本帳の発売は7月19日とのことで、新商品は展示しておらずみることができませんでした。

東リカーテンの企画は今まではすべて外注の企画会社に任せておりましたが、今回はキロニーの企画担当者と一緒になって別会社を作って企画しています。初めてのオリジナルカーテンの見本帳で、ちょっと期待しています。
今までは、外注していましたので、外注の企画会社も思い切ったことをして失敗すると次の仕事が来ない危険性があるため、無難な見本帳づくりをしていました。
そのため、他メーカーに比べて1年遅れたような企画商品ばかりでした。

東リが他社に先駆けて、レースにも簡易型形態安定加工を標準仕様にしているとはね?

ウェーブがちょっと鋭角になっていますが、間違いなくきれいです。

織物研究会

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