生地は高いけど確かにいいです。その価格に価値を見い出せるひとにはぴったりです。その価値の1つにインテリア業界で高く評価されている点として縫製のすばらしさにあると思います。
フィスバの縫製の特徴を検証してみたいと思います。
日本フィスバはほとんどタイで縫製しています。
①なんといっても美しいドレープを保つために、はぎ線の位置(生地の巾継ぎの位置)が必ず、ヒダの三ッ山のふもとに来ることです。
これは何枚も巾継ぎをするときも、ヒダの三ッ山の真ん中の山の高さを変えて、必ずふもとに持ってきています。(写真①)
言うのは簡単なんですが、真似のできない技なんです。
②柄合わせが徹底されています。
③耳と裾の部分は2本糸のすくい縫いミシンを使っているため、ほつれにくいのです。
日本フィスバのカタログには『他社とは違い、2本糸を使用していることから』と書いており、他のメーカーはやっていなかったのです。
ところが、今月からリリカラが『業界初』ということで2本糸のすくい縫いをはじめたのです。
明らかにフィスバの方がかなり早くからやっており、リリカラの業界初は正しくありません。リリカラにとってはフィスバと同じ業界と思ってなくて「業界初」なのかもしれません。フィスバはリリカラを同じ業界だとは思っていないと思います。
リリカラは北海道では、すくい縫い縫製を標準としていません。
④隠れたところに美しさの追求のこだわりがあり、ヒダのつまみを少し台形にして上部のラインを湾曲にしてきれいなドレープを出しています。(写真②)
⑤写真がないのですが、共布タッセルの引っ掛けるところも共布で、中に芯がはいっていて筒状になっているんです。カワシマのメーカー縫製ではそこの部分は既製カーテンと同じような江戸くみ紐になっています。
⑥ヒダの部分は10センチの芯地で縫込みアジャスターフックで、2点のカン止めです。芯地の下の部分は縫いません。(写真③)私はこの2点のカン止めはヒダが曲がったように見えるのであまり好きではありません。カワシマの縫製も2点カン止めの10センチの芯地です。
⑦裾の折り返しは12センチで、ベルベット系はロックをかけてシングルの折り返しですが、一般のドレープやレースは12センチで折り返して3センチぐらい中に入れるだけなんです。
ほとんどのメーカーの縫製は、裾はダブルで折り返しでその部分は3重になっているのですが、フィスバがどうして3センチだけの折り返しにするのか理解できません。そのため、表面に段差ができていますし、透け感が2重の部分と3重の部分では明らかに違います。(写真④)
⑧タイから空輸されてくるため梱包はひじょうにていねいですが、素材的に綿やレーヨンが多く、プリーツたたみしているラインがくっきりとついているのです。こういうのは好みがありますのでなんとも言えませんが私は好きではないです。(写真⑤)
⑨すべてのフィスバの縫製には2年間の保証が付いていて、メーカーの方できちっと管理されています。
縫製に対して保証書をだしているメーカーは他にないと思います。
フィスバの縫製に学ぶところは多く、「たかが縫製、されど縫製」でひじょうに奥が深いのです。
当店も縫製にはこだわっています。
息子にはほうせい大学にいれて勉強させようと思っています。
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