吹抜け工事の話を2件続けて書いたので、ついでに足場の組み立てに関する法律に
ついて書いておきます。
厚生労働省では、足場を安全に使用していただくため、足場に関する墜落防止措置
などを定める労働安全衛生規制を改正し、足場からの墜落防止措置を強化しました。
労働安全衛生法 第59条3項
これは平成27年7月1日から施行されて、従事者は本来は6時間の特別教育を受講する
必要があるのですが、暫定措置として、29年の6月30日にまでならば
従事者は3時間の講習を受ければいいとなっていました。
内装工事における壁紙職人は、天井を貼るのに「うま足場」(脚立を2つ
立てて、その間に板を渡して動けるようにする)を使ったり、カーテン取付職人は
吹抜けや高所取付にローリングタワーを使ったりする場合は、この対象に
なるため、先月あたりまでは、対象者向けの講習会が各地でいっぱい行われていました。
いつも定員オーバーの満席で、私も最後に受講しました。
これは、足場の組み立て、解体または変更の作業のための業務が対象
(地上または堅固な床上での補助作業のための業務は除く)で、
1つだけ使う脚立やはしご、きちんと組み立てられた足場での作業は
対象外です。
動かない足場での作業は対象外ですが、ローリングタワーのように
下に車輪がついていて、10㎝でも動くものは対象となります。
壁紙職人が使ううま足場は対象で、一体となっている「うま足場台」は
対象外です。
お役人さんの考えることは、足場からの落ちる事故が増えるとなにか
手を打たなければならないので、法を改正して従事者は講習を受けなければ
ならないようにしたんです。
これに違反すると、該当する者(事業者)は6月以下の懲役または50万円以下の
罰金に処する(労働安全衛生法第119条)となっています。
この講習会を受けたからといって、足場からの墜落事故が減るとも思えないのですが、
法には従わなければならないのです。